文化講座
何かお役に立てますか?
皆さん、こんにちは! 9月号です。
今年は本当に災害の多い年ですね。特に集中豪雨による洪水の被害は甚大で、悲しいニュースが続きました。が、その悲しいニュース映像の中で、黙々と働く災害ボランティアの様子は心を打つものがあります。 Can I be of any help? (何かお役に立てることはありますか?)の精神に感動しました。
今月は「of+抽象名詞=形容詞の働き」を取り上げます。
まず、形容詞の働きを復習しておきましょう。
名詞がどんな性質をもっているのか、どんな状態、様子なのかを説明するのが形容詞です。
例えば、boyという名詞を説明する形容詞を考えてみましょう。
①He is a kind boy.少年の性格、kind 優しい。
②He is a tall boy.少年の様子、tall 背が高い。
③He is asleep.少年の様子、asleep 眠っている。
④He is happy.少年の状態、happy 幸せ。
①②のように直接名詞を修飾する限定用法、③④のように名詞を直接説明しないで後から説明を加える叙述用法があります。
いずれにしても、名詞を修飾することができるかどうかを考えれば、形容詞かどうか判断できます。「美しい 」は「景色」や「髪」などの名詞を修飾しますが、「美しく」は「歌う」や「ふるまう」などの動詞を修飾します。したがって、「美しい」は形容詞ですが「美しく」は形容詞ではありません(副詞です)。
どんな形容詞があるか思い浮かべてみて下さい。大きい、長い、真面目な、冷たい、暑い、頑固な、素直な、生きている、経済的な、可能な、想像上の、嬉しい、......。
では、このような形容詞と同じ働きをする「of+抽象名詞」を紹介しましょう。
抽象名詞は、love(愛)や hope(希望)、 sorrow(悲しみ)、 beauty(美)などのように
概念や感情のような実体のない名詞です。この抽象名詞の前に of を置いて形容詞のように用いる用法です。
例を挙げましょう。
valuable = of value (価値がある) |
This book is of great value to me. この本は私にとってとても価値がある。 |
valueless = of no value (価値がない) |
My advice was of no value to him. 私の忠告は彼にとって、何の価値もなかった。 |
important = of importance (重要な、大切な) |
It is a matter of much importance for our future. それは私達の将来にとって、とても大切なことです。 |
unimportant = of no importance (重要でない、大切でない) |
It is of no importance to work abroad for me. 外国で働くことは私にとって重要ではない。 |
useful = of use (役に立つ、有益な) |
His idea was of great use. 彼のアイディアはとても役に立った。 |
useless = of no use (役に立たない、無駄な) |
This guidebook is of no use for kids. このガイドブックは子供には役に立たない。 |
helpful = of help (助けになる、役立つ) |
Can I be of any help? 何かお役に立てることはありますか。 |
able = of ability (有能な) |
David is a man of ability. デヴィッドは有能な人です。 |
いかがでしたか。of の後の抽象名詞には、great much no some any little small などの形容詞をつけて用いられることが多いようです。普通の形容詞より少し硬い感じの形容詞ですが、とてもきれいな表現で、私は、Can I be of any help? をよく使います。
では、また来月お会いしましょう!