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やさしい英文法講座

中日文化センター講師 日本福祉大学講師
中村 一子

便利な it 2

 皆さん、こんにちは!3月号です。春はもうすぐそこまでやってきているはずです。待ち遠しいですね。
 反トランプ旋風が吹き荒れるアメリカでは、毎日のように反トランプのデモがあって、プラカードを持ったたくさんの人々がデモに参加しています。プラカードには「Dump Trump! 」のように韻を踏んだ表現や「 No Ban No Wall!」など簡単な表現がたくさん書いてあります。プラカードに注目しながらニュースを見るのもいいですね。
 さて今月は、「それ」と訳さないitの第2弾です。天気や時刻、状況などを表わす時、itを主語にして文を作ることは2月号で学びました。今月は、「それ」と訳さないitの用法のひとつ、強調構文のitを学習します。
 強調構文?聞いたことありますよね。文の中に強調したい語句がある時、itを用いて強調する方法です。
 作り方はワンパターンです。It is (   ) that .......の形を用いて(   )の中に強調したい語句を入れます。そして、「......なのは(   )」と訳します。(   )の中に入れて強調できるのは、名詞、代名詞、福祉の働きをする語句です。

 例を挙げましょう。次の文の名詞や副詞句を強調します。
 Tom broke the window the day before yesterday.  トムは一昨日その窓を壊しました。
 この文を元に、①Tom②the window③the day before yesterdayを強調する文を作ります。

  強調する語句 強調構文
Tom It is Tom that broke the window the day before yesterday.
一昨日その窓を壊したのはトムです。
the window It is the window that Tom broke the day before yesterday.
トムが一昨日壊したのはその窓です。
the day before yesterday. It is the day before yesterday that Tom broke the window.
トムがその窓を壊したのは一昨日です。

<注意>
強調する語句が人の時は、thatの代わりにwhoでもOKです。つまり、
①It is Tom that broke the window the day before yesterday.
 It is Tom who broke the window the day before yesterday.
どちらもOKです。
また、強調する語句が過去を表わす語句の時や、元の文の時制が過去の時は
It was (   ) that ....とすることもあります。つまり、
③It is the day before yesterday that Tom broke the window.
 It was the day before yesterday that Tom broke the window.
どちらもOKです。
強調構文のパターン、理解できましたか。難しくありませんね。では、強調構文を作ってみましょう。いきなり強調構文を作らずに、元の英文を作ってからパターンに入れ替えてみるといいですよ。
①毎朝、朝食を作るのは母です。
②この国の安全管理の責任者は大統領です。
③ 父が怒ったのは、私が夜更かしをしたからです。
④モナリザが描かれたのはおよそ500年前です。

<解答>
It is my mother who (that) cooks breakfast every morning.
It is the president who (that) is responsible for the safety of this country.
It was because I stayed up late that my father got angry.
It is about 500 years ago that Mona Lisa was painted.

いかがでしたか。正しい文が作れましたか。①~④の文は強調する語句を変えて作り変えてみましょう。

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