文化講座
「わが子を愛さない母親はいない」
明けましておめでとうございます。本年も良いお年になります様お祈り申し上げます。
2024年1月号です。
正月の松飾りがある間を松の内と呼びます。昔は元旦から15日までを指したようですが、現在では元旦から7日までを松の内と呼ぶようです。
日本には、1月7日には七草がゆを食べる習慣があります。春の七草とは、セリ、ナズナ、おぎょう、ハコベラ、仏の座、スズナ、スズシロの七種の草です。これらを細かく刻んで餅と米で作る粥が七草がゆで、お正月の間の暴飲暴食で疲れた胃腸の働きを助け、ビタミンを補うといわれています。1月7日が近づくと、近くのスーパーの店頭には七草セットが並びます。皆さんはもう召し上がりましたか。
七草がゆを食べる習慣を英語で説明してみましょう。
It is one of the Japanese customs to eat nanakusa-gayu on January 7th hoping to prevent all kinds of diseases in the coming year. Nanakusa-gayu is rice porridge cooked with the seven spring herbs. (日本には、新年の無病息災を願って1月7日に七草がゆを食べる習慣があります。七草がゆは、春の七草を使って調理されたお粥です。)
さて、今月は「二重否定」を取り上げます。
二重否定は、否定を否定することで肯定の意味を強調する表現です。つまり「~しない~はない」したがって、「~は必ず~する」の意味を表します。
例を挙げながら説明しましょう。
I never see this movie without being moved to tears. (感動して泣くことなしにこの映画を見ることはない) =Whenever I see this movie, I am moved to tears. (この映画を見るといつも感動して泣く) |
never(決して~ない)と without(~なしに)を重ねて用いる ⇒ 肯定 |
There is no mother who does not love her children. (自分の子供を愛さない母親はいない) =Every mother loves her children. (母親はみんな自分の子供を愛する) |
no とnotを重ねて用いる ⇒ 肯定 |
There is no rule without exceptions. (例外の無い規則はない) =Every rule has exceptions. (どの規則にも例外はある) |
no と withoutを重ねて用いる ⇒ 肯定 |
He is not unhappy. (彼は不幸ではない) =He is kind of happy. (彼はまあまあ幸せだ) |
not と un~を重ねて用いる ⇒ 肯定 ※un~は接頭語で形容詞や副詞、名詞などにつけて「~が無い、~でない」を表す 例:unlucky / uneasy / unkind |
では、二重否定の英文を作ってみましょう。
① その通りを歩くと、必ずその少年を見かける。
② その曲を聴くと、必ず大学生時代を思い出す。
③ この近所では彼を知らない人はいない。
④ 彼女は決して不親切ではない。
① I never walk on the street without seeing the boy.
② I never hear the song without remembering my college days.
③ There is no one that doesn't know him in this neighbor.
④ She is never unkind.
話し手の微妙な気持ちを表すことができる表現です。使ってみましょう。
では、また来月!