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やさしい英文法講座

中日文化センター講師 日本福祉大学講師
中村 一子

マンハッタンは歩きやすい

 皆さん、こんにちは!5月号です。東海地方はもう桜も終わり、若葉の美しい季節になりました。花の香りを含んだ空気の中、若葉を眺めながら散歩するのは気持ちのよいものですね。
 さて今月は、「それ」と訳さないitの第3弾です。今月は「形式主語」。よく使われる方法です。とても英語らしい使い方で、使い慣れると便利ですよ。
 まず、どんな時に、どのように使うのか理解しましょう。
 次の二文を比べてみます。

主語(主部)
Tennis is fun.(テニスは楽しい。) Tennis(テニス)
To play tennis with friends is fun.
(友達とテニスをするのは楽しい。)
To play tennis with friends
(友達とテニスをすること)

①の文はTennis(テニス)が主語、
②の文はTo play tennis with friends(友達とテニスをすること)が主語(主部)です。

②のように、主部が長く述部が短い、頭でっかちの文になるのを英語は好みません。
したがって、そんな時は、形式的に主部をitに代えて、It is funとします。そして本当の主語であるto play tennis with friendsをその後に置きます。
つまり、It is fun to play tennis with friends.とします。

このitを形式主語、to play tennis with friendsを真主語と言います。
形式主語itに代えて用いられる主部の多くは、不定詞句や接続詞thatに続く節です。例を見てみましょう。

形式主語itで言い換えると.......
To find his house without a map isn't easy...
地図なしで彼の家を見つけるのは簡単ではない
It isn't easy to find his house without a map.

To find his house without a mapIt に代え、easyの後に置く。
That you go there yourself is important.
あなたが自分でそこへ行くことが大切です
It is important that you go there yourself.

That you go there yourselfIt に代え、importantの後に置く。
What you want to do for your family is clear.
あなたが家族の為にしたい事ははっきりしています
It is clear what you want to do for your family.

What you want to do for your familyIt に代え、clearの後に置く。

では、形式主語itを使った文を作ってみましょう。
①彼らがその都市を攻撃したのは本当です。
②その山の頂上まで歩いてあがるのは大変です。
③彼がその事実を知っているかどうかは重要ではありません。(~かどうか/whether~)

<解答>
It is true that they attacked the city.
It is hard to walk up to the top of the mountain.
It is not important whether he knows the fact.

いかがでしたか。形式主語を使った方が簡単に文を作ることができますね。
 では、会話の中でどのように使われているか見てみましょう。
まず、<Vocabulary(語彙)>をチェックしてから会話に入ります。語彙の意味をしっかり確認し、英語から日本語に、日本語から英語に直す練習を繰り返します。日本語を見てすぐに英語が口から出るようになったら、<Situation(場面 / 状況)>と<Dialog(会話)>に進んで下さい。

<Vocabulary>
Niagara Falls アメリカとカナダの国境を流れるナイアガラ川にある大滝。
Manhattan ニューヨーク市の中心で、ハドソン川の河口にあり、自由の女神やブロードウェイ、ウォール街、エンパイアステートビルディングなどで知られる。
be worried about ~ ~のことが心配である。
get lost 道に迷う。
read a map 地図を読み取る。
skyscraper 超高層ビル。

<Situation>
孝子がニューヨークへ行くことになり、Davidにアドバイスを求めています。

<Dialog>
Takako Say, David. I'm planning to go to New York next month.
David Wow, that's great! New York is a wonderful city.
Takako I know. Everybody says that.
David What are you going to do in New York?
Takako Well I haven't decided yet. There are lots of things that I want to do there. Watching musicals, taking a river cruise, visiting Niagara Falls, and ......
David Have you ever thought about walking around in Manhattan?
Takako Well I'm thinking about it but I'm worried that I might get lost.
David Don't worry, Takako. It isn't easy to get lost in Manhattan. Most streets run straight there, so it is easy to read a map.
Takako Oh, I see.
David The streets are lined with skyscrapers. They are so beautiful.

会話の中に登場する「形式主語のitを含む文」は赤字になっています。
It isn't easy to get lost in Manhattan.
「マンハッタンではそう簡単に道に迷うことはないよ。」はとても英語らしい表現ですね。

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