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ガーデニング

園芸家 栄中日文化センター講師 名古屋野生蘭同好会会長
吉田 篤

セッコクの花を楽しむ3(ラン科)

 今回は、日本長生蘭連合会の花物展示会の作品を紹介します。長生蘭はセッコクの葉変わりを楽しむ物ですが、花も良い物が多いです。古典園芸植物の展示会ですから、全て錦鉢(楽焼)に植えられています。古典園芸は鉢を含めた全体を観賞するところが素晴らしいですね。
 前回(78回79回)は、花変り主体ですが、今回は葉も綺麗な物も多いです。

「富貴の光」・・・「紅小町」の飴矢(茎が黄色)に変化固定した物。花は薄いピンク花。

「宝冠」・・・千鳥芸(葉がしかむ)「富士丸」の斑入り芽変わり。花弁の中心に淡い藤色が入る上品な花です。

「三冠王」・・・キバナセッコクとの交配種。葉の斑入りの選抜品種。花は、キバナセッコクの特徴の房咲き一点花の美しい花です。

「犬丸胡蝶」(いぬまるこちょう)・・・「富士丸」から中斑に変化した品種。中斑に変化すると、飴矢になります。花は「富士丸」、「宝冠」とよく似ています。

「瀞月」(せいげつ)・・・洋種との交配種、黄色の一点花で色も濃く、香りも強い人気の品種です。これは長生蘭ではなく、花物セッコクです。

「夢の舞」・・・飴矢(茎が黄色)で、赤花の美しい品種です。飴矢は白花が普通ですが、この品種は赤花なので、洋種との交配と思われます。
 私は、日本の原種のセッコクと交配種の区別をあまり気にしていません。何故なら、セッコクや風蘭の実生は、30年以上前から行われており、ハーフ(雑種1代目)なら分かりますが、その後何世代も日本種と交配が進み、形態が日本種とほとんど同じ様になり区別が困難になって来ました。ペットの犬や猫のミックス(雑種)やクリスマスローズなどのハイブリッドと同じく、園芸的には、一緒で良いのではないかと思っています。では何故交配種と言っているかと言うと、交配種の珍しい色や形のランを、日本の原種の変わりと言って、高価に取引をされる事も良くありますので、正しい知識を知って欲しいからです。

「龍馬」・・・兜咲き(かぶとさき)の名花。大型になります。

「恵那緑」・・・岐阜県産の緑花。先始めは緑色で徐々に白くなる。

「紅木田」(べにきだ)・・・江戸時代からの古い品種。天保七年(1836年)の銘鑑(番付表)に載っています。完全な中斑では無いので、飴矢ではありません。飴矢に変化した「金鶴」の母種。

「紅雀」・・・新葉の白斑が赤く出る美しい品種。

「浮立」(ふりゅう)・・・兜咲き。浮立とは佐賀県に伝わる伝統的な民族芸能。

ギャラリー(最近の私の庭です)

リコリス・スプレンゲリー・・・毎年9月始めに、突然咲き驚きます。青色が入った珍しい花色です。

タマノカンザシ八重咲・・・蕾が10センチ近くになるのに、1週間ほどかかります。香りの良い花を咲かせます。 1日花なので、蕾の時期が見どころです。

冬瓜みたいなスイカ・・・知り合い農園で、1個持っていきなと言われて、てっきり冬瓜と思ってもらって来ましたらスイカでした。びっくりしました。美味しかったです。

チャールストングレイ・・・アメリカ原産のスイカで、縞模様が無く楕円形でまさしく冬瓜みたいです。

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