文化講座
ツワブキ 1
ツワブキは、キク科の常緑多年草で本州(福島県)以南の海岸近くに自生しています。九州、沖縄では新葉の柔らかい内にフキと同じように食べられています。アクが強いのでアク抜きをします。
江戸時代、武士の精神修養として園芸が奨励され、オモトやフウラン、キクなどと共に盛んに栽培された古典園芸植物です。いろいろな品種が選抜されています。今回はその一部を紹介します。
中央は、「浮雲錦」、奥は蛍(ほたる)斑の株です。
「浮雲錦」(うきぐもにしき)は、代表的な品種です。覆輪種なので斑のあばれが無く安定している所も人気の所以です。私もお庭を頼まれますと、よく植えます。このお庭は、北側の玄関脇の少し陽の当たる所に植えました。鉢植えはヤマアジサイ「紅」の寄せ植えです。ギボウシは「レボリューション」。
「金冠」(きんかん)・・・黄色い覆輪があり、まさしく「金冠」と思わせる美しい品種です。
あまり見かけないのは、金冠の斑が出たり出なかったりして、安定していない事から販売はあまりされていません。安定していないと商品として販売しにくいので生産もあまりされていません。
以前、「金冠」がどうしても欲しくて、浜名湖(静岡県)の北部を訪ねた折、みかんの木の下に、何株もの大株の「金冠」ツワブキを見たときは、あまりの綺麗さに感激しました。南側の暖かい場所で、みかんの木漏れ日がちょうど良い環境でした。みかんの肥料も効いて高さ50~60cm、葉は30cm程あり、葉数も多く斑の幅も広く大迫力でした。
「日の神錦」・・・刷毛込斑ですが、斑が安定している所が良い所です。刷毛込斑は、斑の安定感のない物が多いですが、この品種は緑に戻ることはありません。
「縮面」・・・独特な葉の表情が面白い。
砂子斑(さごふ)・・・散り斑のタイプで、だんだん緑葉になります。
「大星雲」・・・蛍斑のツワブキは、あまり興味がなかったのですが、この品種を見たときに、あまりの綺麗さに見直しました。本芸を出した時の綺麗さは格別です。
「大星雲」
「紀州獅子斑入」・・・葉の表面に、突起状の葉が出る珍しい品種です。突起状の葉の事を子宝と言います。
「紀州獅子斑入」子宝葉
「碧霞元君」(へきかげんくん)・・・散り斑の渋い品種で私好みです。散り斑は安定している所も良いですね。
姫ツワブキ・・・小型のツワブキの蛍斑です。
「朱光」・・・ツワブキのオレンジ花です。珍しい品種です。他には、白花があります。
ギャラリー(最近の私の庭です)
ネリネ・・・今年は、1週間ほど遅く咲いています。
ハカタシダ・・・斑が綺麗なので気に入っています。丈夫で良く育ちます。
ウスカワマイマイ黒化タイプ・・・昨年、黒いプラ鉢に石が付いていると思い取りましたら、カタツムリでした。
茶色はよくいますけど、黒いのは初めて見ました。写真を撮って忘れていましたら、最近もう少し小型の黒いマイマイがいましたので、庭で繁殖しているかも。
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/