文化講座
シンビジウム(シンビジューム) Cymbidium
今月は洋蘭のシンビジウムを紹介します。シンビジウムの仲間は、日本から東南アジアに広く分布しています。日本の春蘭や寒蘭もシンビジウムの仲間です。園芸的に洋蘭のシンビジウムと呼ばれている物は、東南アジアのマレーシア、南アジアのネパール、インドなどに自生するシンビジウムの仲間から品種改良された物です。
最近はコチョウランのように贈答用としてアーチ状の仕立ても作られるようになりました。
シンビジウムは、主にお正月の花として広く楽しまれています。本来は春に咲く花なのですが、お正月に咲かせる為に夏に、山上げを行います。夏場に山地の気温の低い標高の高い所で栽培して花芽の形成を促進させます。花芽が作られたところで再び温室に戻し温め開花調整をして12月に出荷をします。
ホーリーラブ
スペースシティー
スノーフェアリー
エトラールバレー
インザムード
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ミルクティー
煌(きらめき)
ショパンの調べ
エメラルド
苺の雫
ビビアン
パームラインルナ
ファンタスティックガール・リンダ
シンビジウムの花を見ていましたら、私が学生の頃(46年位前)ネパールに行った時のことを思い出しました。
その当時、私は、野生ランが大好きになり昆虫採集に日本中出かけた折に色々な野生ランを探していました。昆虫採集が主たる目的でしたからランは見るだけでした。荷物(採集道具等)が多く長期の遠征中に昆虫以外は見るのがやっとでした。野生ランの中でもエビネランが好きになり、持っていたエビネの本に載っていたヒマラヤのエビネの写真に衝撃を受けました。それは花弁の舌弁がコバルトブルーの花でした。
どうしても本物が見たくなり、山岳部の友人がネパールに行くと言うので、一緒に行くことにしました。1ヶ月半の予定でした。2週間ほど歩いて4000メートル付近のベースキャンプに行く途中、まだ標高の低い村の近くで道沿いの林に着生ランが一杯付いている木を見つけたので、木に登っていると村人が集まって来て、何か身振り手振りで言っています。その木には、30~40センチのシンビジウムが一杯着生していました。村人が言うには、それは食べられないとのことでした。その木には、シンビジウムの他にデンドロビウムなどランがびっしり着生していました。ちょっと話が脱線してしまいました。又別の機会があればお話しします。
日本の春蘭、寒蘭は地生ラン(地面に生える)ですが、熱帯のシンビジウムは木に着生するランでした。
皆さんが、入手したシンビジウムも着生ランなので、過湿は禁物です。
育て方
素焼き鉢に水苔で植え込みます。春から秋までは、遮光ネットか木漏れ日の当たる風通りの良い屋外で育てます。5℃以下になるようならば室内に取り込み窓辺に置きます。肥料は、緩効性のマグァンプKが良いでしょう。素焼き鉢はよく乾きますから春から秋は毎日水をあげます。乾きすぎて葉がよく萎れるようでしたら、プラ鉢などに替えて、水やりを減らします。いつも湿っているより、乾いてからの水やりを心がけると、花芽が付き易くなります。
ギャラリー(最近の私の庭です)
原種シクラメンの葉の美しいタイプです。斑入りではありません。ミラビレ(左下隅の3鉢)、コウム(7鉢)、シリシウム(右下隅の1鉢)、葉だけで十分美しいです。最近はまっています。
原種シクラメン・シリシウム 早咲き種です。
「紅真珠」 中国原産のローヤ柿です。実のタイプが色々あります。「紅真珠」は赤実です。
他には、細い実と黒実を持っています。盆栽として人気があります。私は庭木として楽しんでいます。
ローヤ柿 「筆柿」
ローヤ柿 黒実 完全に黒くなるタイプは少ないです。
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/