文化講座
用土の基礎知識
植物を育てるにあたって、適正な栽培用土を使うことは大変重要です。現在、園芸用の用土は数多く販売されています。それぞれの特性を知って、栽培に役立てましょう。
一般的に良い土とは、適度な水はけと水持ちがあり有機質を含んでいる物をいいます。
大変種類が多いので、一般的な物を紹介します。
- 培養土
- 用途別たとえば「多肉植物用」「ブルーベリー」「山野草の土」などのように、特化した物とは違い、一般によく使われている培養土については、かなり保湿性が高い物が多く、鉢やプランターで一時的に花苗を植え込むには向いています。
長く育てるためには、他の用土と混ぜて使うことをお勧めします。
私の場合は、培養土に鹿沼、赤玉、軽石などを混ぜて使っています。
樹木を植え込むには、柔らか過ぎて向いていません。山砂や赤玉土などを混ぜて
重くてしっかりとした用土にしましょう。
その他の使い方としては、硬く乾燥した庭の土壌改良にも役立ちます。
- 鹿沼土
- 栃木県鹿沼地方で採取される軽石のことで、通気性と保水性が高く園芸用として
広く使われています。pHは4~5の酸性なので、サツキなどの栽培に向いていま
す。雑菌もないので挿し木の用土(細粒)にも向いています。水分を含むと黄色くなり乾くと白っぽく変わるため、水遣りの目安として便利です。
大粒、中粒、小粒、細粒の4種に分別されています。また鹿沼地方のみで産出されるより硬い物を硬質鹿沼土と呼んでいます。
赤玉土・・・関東ローム層の赤土を乾燥させて、粒の大きさで分けています。酸性です。
焼赤玉土・・・粘土を焼いた物で、クレイボールとも呼ばれています。
- 山砂
- 愛知県では、「矢作砂」「朝明砂」で売られていたりします。微塵を抜いて使うと良いでしょう。
- 桐生砂
- 群馬県桐生市付近で産出される火山礫。軽石よりも重い。
山草の植え込みによく使われています。
- 富士砂
- 富士山の溶岩が砂状になった物。化粧砂によく使われます。黒色をしています。
- 軽石
- 噴火の時に噴出された火山礫で軽くて多孔質であります。日向土(ひゅうがつち)、
蝦夷砂(えぞすな)も同じ軽石の仲間です。
- パーライト
- 真珠石を高温で燃焼させて作られた。軽石と同じ用途に使われます。
大変軽いです。
- バーミキュライト
- 雲母系蛭石を高温で焼成した物。挿し木や土壌改良に使われます。
- 珪酸塩白土
- 根腐れ防止に使われます。商品名「ミリオン」。ゼオライトも同じ様な物です。
土壌改良に使われています。
- 腐葉土
- 広葉樹の落ち葉を集めて堆肥とした物。良質の物が少ないので、ピートモスを代わりに使う場合は、酸性度の調整済みの物を使うと良いでしょう。
- ピートモス
- 寒冷地のアシやミズゴケが長期間堆積して腐食し泥炭化した物。
土壌改良に使われています。pH無調整の物は酸性度が強いので
ブルーベリーの植え込みには向いています。
pH調整済みの物もあります。
私の基本的な植え込み配合は、下記の配分で作ります。
鹿沼土 赤玉土 軽石 腐葉土
4 : 3 : 2 : 1
あらかじめ作り置きしてコンテナボックスなどに保管しておくと、すぐに植え込みが出来て大変便利です。
ギャラリー(最近の私の庭の植物です)
クリスマスローズが満開です。
黒ダブル
原種系です。
椿「センテッド・ジェム」
トクサ斑入り
沈丁花「前島」
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/