文化講座
古典菊
今回紹介する古典菊とは、主に江戸時代に盛んに品種改良され各地で独自の変異(進化)を遂げて現在に至っている菊の事を指します。江戸時代に流行し盛んに栽培された植物を「古典園芸植物」と呼びます。
万年青、観音竹、カンアオイ、朝顔、風蘭(富貴蘭)、セッコク(長生蘭)、椿、梅、なども同じ様にブームになり相撲の番付表と同じ番付を作り楽しんでいました。
日本の菊のルーツは、奈良時代に中国から薬用植物として入り平安時代には観賞用として栽培されています。その後交配による品種改良がされて江戸時代には、日本独自の美しい菊を作り出しています。
日本にも、野生菊はありますが、いずれも小型の花を咲かせます。
ブームになるには、それなりの金銭的価値が付かなければなりません。享保3年頃の記録には、人気の新花は、1株1両(約10万)、高い物で10両にて取引されたそうです。その他「いけばな」にも盛んに使われました。展示会も盛んに行われました。現在の菊花展とよく似ています。
現在の菊の花の美しさは、江戸時代のブームなくしては、あり得ません。
古典菊は、栽培された地域によって分けられています。嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、江戸菊、美濃菊、奥州菊
嵯峨菊(京都)
立ち上がる細い花弁が特徴。
嵯峨菊
嵯峨菊
嵯峨菊
伊勢菊(伊勢)
嵯峨菊から作出されたと言われています。嵯峨菊より花弁が垂れて咲きます。
伊勢菊
伊勢菊
伊勢菊
肥後菊(熊本)
一重咲の細弁のすっきりした花です。熊本藩主細川家によって武士の精神修養として、肥後菊の栽培が推奨され栽培が盛んになりました。
肥後菊
肥後菊
肥後菊
江戸菊(東京)
咲いた後に花弁がよじれたり、折れ曲がったりして別の花のように変化します。
江戸菊
江戸菊
江戸菊
美濃菊(愛知・岐阜)
広弁の八重咲き。現在の大輪咲きに似ています。
美濃菊
奥州菊(青森)
花の中央が盛り上がるように咲きます。
奥州菊
ギャラリー(最近の私の庭です)
今年もブルーシクラメン入手して来ました。
カトレアの斑入りです。
万両「紅孔雀」赤い葉が特徴的な万両です。
ビワの掃込斑です。他に覆輪と散り斑がありますが、このタイプが一番珍しいと思います。
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/