文化講座
椿を楽しむ 3
今年は暖冬で梅の開花も早まっております。ヤブツバキも陽だまりでは少し早く咲き始めました。日本では一重咲きが好まれ、多くの品種が生まれています。海外では豪華な八重咲きが多く作出されています。
椿の品種は大変多く1,000種とも言われています。今回も少し紹介します。
岩根絞り(いわねしぼり)
江戸時代に選抜された大輪八重咲き種。赤と白の比率が株によってばらつきがあります。
菱唐糸(ひしからいと)
江戸時代、関西で人気が出た名花。八重の唐子咲き。花弁のピンクと唐子弁の白色がとても上品な花です。
黒百合
孔雀椿の実生選抜品種。ラッパ咲き。
一休(いっきゅう)
白一重筒咲き。
友の浦(とものうら)
「玉の浦」の交配種。「玉の浦」は、昭和22年に長崎県福江島玉之浦町で見つかった、一重咲きで赤い花弁に白の覆輪が入る大変美しい花です。今までにない花のため日本はもとより海外の愛好家の評価が高く「玉の浦」から多くの名花が作出されました。なかでもカリフォルニアのヌチオ農園で作出された「タマアメリカーナ」(八重白覆輪花)は有名です。
初黄(しょこう)
中国の「金花茶」(きんかちゃ)とヤブツバキ「鴫立沢」(しぎたつざわ)との交配種。淡黄色一重筒咲き。1989年に金沢の山口湛夫氏によって作出されました。山口氏は「黄の御前」(きのごぜん)も作出しました。
初黄覆輪
初黄の白覆輪種。種苗登録申請品種なので、入手はまだまだ先になります。
絵日傘(えひがさ)
八重絞り咲き。愛知県稲沢市の「椿園」作出の絞り咲きの名花です。絞り花は安定しない事も多いですが、この「絵日傘」は固定性が高く素晴らしいと思います。絞り咲きの「春の台」(はるのうてな)、「初瀬山」(はつせやま)、「葛城絞」(かつらぎしぼり)など私の大好きな椿です。
白孔雀(しろくじゃく)
「孔雀椿」と「都鳥」の交配種。2006年に作出された、白花八重咲き種。
~ギャラリー(最近の私の庭の植物です)~
沈丁花「前島」・・・日陰の庭に向いています。
南天斑入り「トワイライト」・・・紅葉すると斑入りがピンク色になり美しい。
アマクサシダ・・・友人から株分けしてもらいました。葉をよく見るとベトナムのシダとよく似ています(第57回「ベトナム・クックホン国立公園Ⅱ」参照)。愛知県産だそうです。
ラケナリア・ヴィリディフローラ・・・南アフリカ原産の球根植物。少し寒がるので冬越し中。霜に当てなければ軒先でも大丈夫です。ヒスイ色の花も私の好みです。
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/