文化講座
食虫植物 2
毎年、夏になると、ホームセンターの園芸コーナーで食虫植物が並びます。主にモウセンゴケ、ハエトリソウ、サラセニア、ウツボカズラの4種です。いずれも栄養素が足りない痩せた湿地や荒れ地に自生しています。虫を採らなくても光合成をしますので枯れませんが、虫を採った株の方がより立派な株になります。売店では1年草の様な扱いですが、ハエトリソウ、サラセニア、モウセンゴケは屋外で冬越し出来る品種も多く、栽培環境を整えればそんなに難しい植物ではありません。
(以前の食虫植物項参照)
ハエトリソウ
北米原産のモウセンゴケ科の球根植物。年中腰水で日当たりの良い所(真夏は午後から日陰)で育てます。 捕虫葉の中のトゲを2度触れると閉じます。あまり繰り返すと葉が枯れますので注意しましょう。
シャークティース・・・葉のトゲが短く、サメの歯のように見える事から名付けられました。
緑葉タイプ・・・実生なので色々な変化があります。下の中央の葉には、中身を消化されたバッタが付いています。この株は、ホームセンターの売店でセットの中から見つけました。
ロイヤルレッド・・・赤葉タイプです。赤い葉は、私の好みですので見つけると入手しています。
サラセニア
北米原産のサラセニア科の多年草。年中腰水で日当たりの良い所(真夏は半日)で育てます。
捕虫葉には蜜腺があり昆虫をおびき寄せます。筒の中は、下向きに毛が生えていて、落ちた虫は出る事が難しいです。
ヘリアンフォラ・・・南米のギアナ高地に自生している。珍しいサラセニアの仲間です。
少し寒がるので冬は室内に取り込みます。トウカイコモウセンゴケの種子が飛んで一緒に育っています。
午前中陽の当たる所に、他のハエトリソウやミミカキグサと一緒に育てています。
ヘリアンフォラ・ミノールの花・・・ピンク色の5センチを超える大きな花を咲かせます。あまり綺麗なので即入手しました(笑)。2月末のまだ寒い時期でした。私の家の株が咲かないと尋ねましたら、大株にならないと咲かないとの事でした。サラセニアとは思えないほどの花の美しさに驚きました。
ウツボカズラ(ネペンテス)
東南アジアの熱帯林に自生するツル植物。日当たり良く15℃以上で管理。真夏の直射は避けましょう。
熱帯のジャングル(ボルネオなど)に自生していますので、空中湿度が高くないと、うまく袋が出来なかったりします。私の感想としては、ウツボカズラを、年間を通じて育てるには、冬に管理する大きな水槽やミニハウスを用意したりして、気合をいれて育てなければなりませんので。考え方を変えて、春から秋までの観葉植物として面白い形態を楽しむ事をお勧めします。弱い植物ではありませんので、半年楽しめれば良いのではないでしょうか。
ネペンテス・ダイエリアナ・・・口に赤い縞模様が特徴的です。交配種で色々なタイプがあります。
ネペンテス・ベントリコーサ・・・ルソン島(フィリピン)原産。捕虫袋が美しい人気種。
話は変わりますが、日本では、お店で売られている鉢花を、花後も育てる事は普通の事ですが、日本より、緯度の高いヨーロッパでは、気候的に育てることが難しいので、綺麗な鉢カバーに、購入した鉢花をいれて、楽しむ事が普通の事です。それは切り花と同じ感覚です。それによって、しっかり消費されて毎年新しい需要が生まれ、花の生産者さんが守られています。園芸講座でこんな事を言うのは、あまりふさわしく無いかもしれませんが、現在園芸生産は危機的状況になっています。資材の高騰と高齢化で生産者さんが、どんどん減っています。商品になるまで、2~3年育てる手間の掛かる植物を育てる生産者さんが少なくなっています。今売られている、花壇苗や野菜苗は、40日位で出荷します。それに比べて3年間水やりをして育てた植物の価格が見合っていないのが現状です。私は手間の掛かった植物はそれなりの評価をして購入しています。
フクロユキノシタ(セファロタス)
オーストラリアの西南部の海岸付近に分布する珍しい種。
東山植物園で毎年夏に開かれている「食虫植物展」(主催:食虫植物懇話会)におじゃまして撮影してきました。一度は育ててみたい植物です。オーストラリアの南端なので寒さも以外と強そうです。
セファロタス・フォリキュラリス(Cephaiotus folliculasris Giant)
ギャラリー(最近の私の庭です)
キバナフウラン・・・フウランの交配種。開花は不定期。
「曼珠沙華」・・・フウランの三蝶花。距の先がピンクのタイプ。
オンシジュウムの斑入り・・・栽培も簡単で良く増えます。
今年の夏は、特に暑く感じました。1日に2度の水やりをしても、かなり枯れてしまいました。
全部鉢植えなので、水やりのタイミングが難しいですね。丈夫な植物ばかり残りそうで困っています。
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/