文化講座
古典園芸植物 1
古典園芸植物とは、主に江戸時代に、盛んに栽培され選抜育種された植物の総称です。
現在でも朝顔は普通に栽培されていますが、江戸時代に、変化花が作出されて大変なブームになりました。
菊は、古典菊(96回「古典菊」参照)として嵯峨菊、肥後菊、江戸菊などがあります。
江戸時代の初めの頃は主にキク、芍薬、牡丹、椿、ツツジなどの花物が盛んになり、中後期には、葉を観賞する、カエデ、オモト、セッコク(長生蘭)、風蘭(富貴蘭)、観音竹、松葉蘭、万両などが人気になります。
花合わせと呼ばれる品評会も盛んに行われ番付も発行されました。江戸時代(1603~1867)の約260年の間に栽培育種された植物はどれもひときわ鑑賞価値が高く、現在も栽培されている植物も数多くあります。
カラタチバナ(百両金)、万両、ヤブコウジ(十両)、なども大ブームになり多くの品種が選抜されました。
今でも、セッコク(長生蘭)、フウラン(富貴蘭)、オモト(万年青)などは、多くの品種が栽培されています。
松葉蘭・・・本州以南に分布する常緑シダ。スギナのような地味な植物です。天保(1830~44)の頃には木版多色刷りの図譜や栽培手引き書、番付などが出され100種ほどが選抜されました。
松葉蘭「青竜角」・・・直射を避けて育てます。小型で黄斑が入る松葉蘭の中では最高品種。
松葉蘭「神竜角」・・・少し日に当てます。黄色に紅葉します。
南天・・・難を転ずる吉祥木として人気があり、葉が細く棒のように変化した小型の物を「錦糸南天」といいます。
琴糸南天(きんしなんてん)「丹頂」
琴糸南天「白筏」・・・枝が筏(いかだ)芸で白斑の2芸品。珍品です。
筏芸とは、普通3つに広がって伸びる枝が広がらず、あたかも材木をつないだ筏の様に見える事から名付けられた。
観音竹・・・江戸時代中期頃中国から入り、多くの品種が作出された。現在では、「綾錦」、「瑞光」など縞柄が多く流通しています。
「富士の雪」・・・白の虎斑が美しい品種。
「松華殿」・・・細葉の斑入り種。
富貴蘭「西出都」・・・フウランの斑入り品種。
長生蘭「聖」・・・セッコクの斑入り品種。
富貴蘭、長生蘭については、奥が深いので改めて紹介します。
ギャラリー(最近の私の庭です)
アザレア椿八重咲き・・・中国原産の夏咲き椿。8月頃から11月頃まで咲きます。
普通の赤花とは違って、オレンジがかった明るい赤花は他にありません。
ジュリオヌチオの枝変わり斑入り種。
ツワブキ白花・・・咲き始めは黄色で徐々に白くなります。
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/