文化講座
ギボウシ4 小型種を楽しむ
ギボウシは、株の大きさが150cmを超す大きな品種から10cmほどの小型の品種までバラエティに富んでいます。今回は小型の品種を紹介します。日陰にも強く丈夫で葉色も美しい小型のギボウシは、寄せ植えやコケ玉などに使うには、とても使い勝手の良い植物です。コバギボウシ(全国に分布)やオトメギボウシ(済州島原産)からの選抜品種や多くの園芸品種が作出されています。
オトメギボウシ・・・済州島原産の小型種。左は中斑の「旭光」(きょくこう)。
パンドラズボックス・・・1996年に発表された人気の小型種。花も濃い紫色で美しい。
マイティマウス・・・ブルーマウスイヤーの斑入り種。
ヒメトクダマのラシャ葉・・・甲竜葉で厚くしっかりしている。私の好きなギボウシです。
渦の舞覆輪(うずのまい)・・・コバギボウシの選抜種。
タトゥー・・・トクダマ系の交配種。独特の葉模様の人気種。
大黒殿
オトメギボウシ「涼風」(左側)、オトメギボウシ「日光」(右側)
コバギボウシ「津軽小町」
ナイトビフォアクリスマス・・・中型種のギボウシですが地植えにすると大きくなります。
~ギャラリー(最近の私の庭の植物です)~
ウラジロギボウシ白覆輪
ショウジョウバカマ白縞 「富士の残雪」
ノキシノブ斑入り 「一条錦」
・クラマゴケ・・・光の当たり具合でかなりブルーにみえます。全国に分布するシダ植物です。私の庭でも良く増えて雑草化しています。東南アジアにも広く分布しています。マレーシアでも同じ仲間のシダが青く光っていました。この青は、葉の色ではなくて、葉の表面の微毛が青い光を反射するため青く見えます。
この光の反射を構造色(こうぞうしょく)といいます。昆虫では南米の蝶のモルフォチョウが有名です。
青い色素をもっていないので、この蝶は何年たっても色あせしません。構造色の塗料が実用化されると、色あせしない車の塗料ができるかもしれません。
・青い葉の植物が少ないのはなぜ?
植物工場などでは、LED照明で育てています。その色は赤色と青色の2色が使われています。光の3原色のもう一つの緑色は使われていません。それは光合成をする葉緑素(クロロフィル)に必要な光は赤色と青色の2色で、緑色はほとんど必要とされていません。必要のない緑色を反射しているため植物の葉は緑色に見えます。次にお見せするブルーに光るベゴニアはなぜ必要としている青色を反射しているのか、初めはわかりませんでした。マレーシアの原生林で初めて青いベゴニアを見たときは感動しました。その話は長くなるので止めますが、その付近には、クラマゴケも青く光っていましたし、ほかのシダも青いものがありました。その場所は光の射し込まない暗い原生林の林床でした。私の結論としては、光の弱い所の植物は余分な青い光を反射して身を守っているのではないでしょうか?これは正しいかどうか分かりません。
ベゴニア・パボニナ・・・上はストロボ使用、下は自然光です。
植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/