文化講座
ギボウシ 1(Hosta) ユリ科 ギボウシ属
ギボウシ(ホスタ)は、東アジアに分布し、特に日本に多く自生しています。
江戸時代より鑑賞用に植えられ、シーボルトがヨーロッパへ持ち帰って以来、多くの品種が欧米に渡り、特にアメリカで、多くの品種が交配され、作り出されました。
日本には、約20種のギボウシが自生しています。
形態的には、コバギボウシ、ミズギボウシ、オオバギボウシ(トウギボウシ)の3つに、大別されます。
地域変異が多く、数多くの園芸品種が生まれています。
斑入り葉、ブルー葉、ライム葉、黄金葉、羅紗葉など葉の変化が多く、ガーデニングには欠かせない植物になっています。
ギボウシを植える事により庭の表情が格段に良くなります。
日陰の植物と思われがちですが、明るい所で育てた方が、多少の葉痛みがありますがよく育ちます。
花が咲きますと翌年の新芽の数が増え株立ちになりやすいので、入手した株が小株の場合は肥培管理をして開花を目指しましょう。
日本ではギボウシが、普通に数多く自生している為、今までは人工交配はあまりされてきませんでした。
最近は、育種によって今までに無かった黄花(ミラクルレモニー)や八重咲きなど作出されました。
これからは、葉も花も美しいギボウシが作出されると思い楽しみでなりません。
庭植えのギボウシ
「レボリューション」
(手前、白中斑)
和風の庭にも良くあいます。
★ オオバギボウシ
全国に分布している大型のギボウシ。葉幅が広く葉柄と葉がはっきりと区別できる。
花色は薄い藤色が多く、花全体を上から見ると苞(蕾を守る葉)が星形に見える。
サガエ(寒河江)
山形県寒河江市で見つかったオオバギボウシで地植えをすると株幅1m以上になります。
大型で美しいので大変人気があります。
黄帝(こうてい)
オオバギボウシ、「サガエ」の芽変わり、黄色の大覆輪。
金星(きんぼし)
オオバギボウシ、昔からある品種で光沢のある黄覆輪が美しい。
オオバギボウシ「黄散り斑」
覆輪と違い「縞」や「散り斑」は実生にも柄が遺伝します。
★ イワギボウシ
イワギボウシは本州~九州に分布しています。中型~大型のギボウシ
葉柄に赤紫の点が入る事が多く、花時期は少し遅く8月~9月頃です。
花柄(花と花茎との間)が長いのも特徴です。
斑入りなどの変異株が数多く見つかり、山草愛好家の間で人気が高まりました。
まだまだ株数が少なく珍しい物が多いです 。
イワギボウシ「黄金葉」
黄金葉は日当たりの良い所に置きましょう。
イワギボウシ斑入り
片柄のため斑入りとしては綺麗だが良い個体とはいえない。
簡単な見分け方
ほとんどのイワギボウシで茎に赤紫の点が入るので、中型のギボウシの場合まず茎をみると良い。