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インターネット公開文化講座

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ガーデニング

園芸家 栄中日文化センター講師 名古屋野生蘭同好会会長
吉田 篤

ベトナム・クックホン国立公園 Ⅲ

 数年ぶりにベトナムのクックホン国立公園に行って来ました。今回も昆虫の調査です。
 今年は、雨季が遅れていて虫の発生も遅れていました。植物も、時期がずれていて、私にとっては、かえって良かったです。前回見られなかった植物も見ることが出来ましたので、紹介しますね。

保護区の入口

火焔(火炎)樹又は鳳凰木・・・西アフリカ原産の木ですが、ベトナムのいたるところに植えられています。
名前の通り、真っ赤な花は良く目立ち熱帯地域に来たことを自覚させてくれます。
花時期も長く、5~8月頃まで見られます。

木の下は、真っ赤に敷き詰められて綺麗です。

クワズイモ・・・サトイモ科の常緑多年草。暗い樹林帯には、1.5倍位の超巨大な株がいくつも自生していてヘビなどが居そうで、近寄りませんでした。
日本では、観葉植物アロカシアとして出回っています。

ピンポンツリー・・・調べましたら中国南部に自生との事ですが、お隣のベトナムにも自生していました。
中国の物とは、少し実の感じが違っているように見えます。クックホン国立公園の植物特別保護区の森の中で見つけました。赤い色が目立っていて、近づいてみましたら見たことのない実が成っていました。
同じ森には、前回も入っていますが見ていませんでした。今回はちょうど赤く色づいていたので見つける事が出来ました。1メートル程の木で実をつけていて、実はけっこう大きく黒い種とのコントラストが秀逸です。
名前のピンポンは、中国語のピンポー(ping po)が語源だそうです。

実を取りましたら、ほとんど種が落ちてしまいました。中国の物は種を食べるので、これも食べられそうですね。前日別の山でオレンジ色の実が落ちていたので、何かわからずに写真を撮りましたが、見比べると良く似ています。

サトウヤシ・・・インド~フィリピンにかけて分布しています。インドネシアでは樹液から砂糖を取る為に多く栽培されています。日本では、まだ売られていませんが、これから健康食品として販売されそうです。

実の中の胚乳を食べます。タイではパームシードの缶詰も販売されています。

サトウヤシの花・・・満開ですが、虫が全く来ていません。夜の蛾でしょうか? 1花茎に咲く花の数は軽く100を超えています。植物全体の中でもこんなに多くの花を咲かせる植物は、珍しいと思います。

サルトリイバラ・・・日本の2倍位の大きな葉です。西日本では、柏餅の柏の代わりに使っていました。サンキライとも呼びます。日本のサルトリイバラは小さいので、この葉で作ったら立派な、節句のお餅になりそうです。

トレベシア・・・ウコギ科の常緑小高木。日本では、まだまだ珍しい観葉植物です。

トキワアジサイ・・・前回も前々回も咲いていませんでしたが、今回はちょうど咲いていました。ガクがない両性花だけの花ですが、濃淡があり、今回で一番濃い花がこの花です。

ハラン・・・今回小型のハランを見つけました。中国産に似ています。最近の植物のマニアの間では、ハランの花変わりが人気になっています。このハランはどんな花を咲かせるのでしょうか?見てみたいです。

常緑エノキ・・・日本のエノキは落葉樹で、全国に分布しています。国蝶オオムラサキの食樹でもあります。
ベトナムにもこのエノキを食べるタテハチョウが色々います。普通の人は全く興味のない木ですが、蝶の好きな人は、常緑のエノキがあるのだと驚きます。少し照り葉で観葉植物になりそうです。

バタフライトラップ・・・今回は植物の事ばかりなのかと、思われましたか?安心して下さい(笑)ちゃんと他の事も紹介しますね。バタフライトラップとは、正に蝶のワナです。円筒形のネットの下に、熟したバナナを置くとそれに集まってきた蝶を簡単に捕まえてしまう装置です。蝶は基本的に、羽ばたいて上に飛びます。
そのためバナナに集まった蝶は、帰ろうと飛びますと上に行ってしまい、出られなくなってしまいます。
これは花ではなくて、樹液などに集まるタテハチョウなどを捕まえるのに有効な装置です。
洗濯ネットでも簡単に作れます。樹液に集まるタテハチョウなどは、飛ぶ力が強く、素早く飛ぶためネットでは中々採ることは出来ません。今回は複数仕掛けて、いい成果が出ました。

ナガサキアゲハ雌・・・日本の物と比べかなり白い個体です。ナガサキアゲハは名古屋にも生息していますがこんなに白くはありません。ふつうは黒いアゲハチョウです。飛んでいる時に白くみえました。

ナナフシ・・・ナナフシは、多くの種類が生息しています。このナナフシは、足や関節が緑色でまるで作り物のようなナナフシで初めて見ました。

ニジイロゴキブリ・・・緑色のきれいな虫です。メスは翅がありません。

今回は、蜂の巣がちょうど大きくなって来ていて、初日から刺されました。1センチ程の小さい蜂ですが、攻撃性が高く、とても素早くて一瞬で刺されました。最初は蜂かアブかもわからないくらい1秒位で数匹に4か所ほど刺され走って逃げましたが足もズボンの上から刺されました。
小さな割に毒性が強く、強い痛みがあり、4日ほどひどく腫れ力士の腕になりました。
日本のアシナガバチやスズメバチと違い、威嚇行動はなく、いきなり攻撃してきます。その後は、手袋をして採集をしていましたが翌日別の場所でまた刺されましたが、手袋と服が守ってくれてたいした事はありませんでした。普通に歩くだけなら大丈夫ですが、ネットで虫を探しながら、枝をたたいたりしますので仕方ありませんね。見つけた巣は他の人が刺されるといけないので取り除きました。

ミニバナナ・・・高速道路のサービスエリアで買いました。1山250円です。とても甘く美味しかったです。

ドリアン・・・ハノイの高級スーパーで、900円位。

ドリアン・・・国立公園の近くの町で買ってきてもらい食べました。甘くて美味しかったです。少し匂いがありましたが、気になりませんでした。

竜眼(リュウガン)・・・小ぶりのライチのような感じでライチより甘いです。

以前も寄った果物屋さん。左下ライチ、中央マンゴスチン、あとはりんご、オレンジ、スイカ、ドラゴンフルーツ、ナシ、パパイヤなど色々あります。果物は、日本に持って帰れないのでマンゴー、マンゴスチン、ドリアンなどしっかり食べました。

まだまだ、色々ありますが又の機会にしましょう。

植物の知識が広がる講師H.P.
http://floweryhill.net/

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