文化講座
山橘の実の美学
山橘は一般名を「
その山橘を
(この雪の消えないうちにさあ行こう、山橘の実が赤く照り輝くさまを見よう)と歌っています。
万葉時代には雪は天から降りそそぐ素なる清らかなものであり、山橘の葉に雪を頂く姿はひと際清らかさが増幅されることから、その神聖さが重されたのです。
そして、さらに家持は次の歌でも
(消え残る雪と照り映えあっている、あしひきの山橘を土産に摘んで来よう)と、庭先に積もった雪も山橘の実の赤さに染まっているその姿に、家持はことのほか感動して詠じたもので、「あしひきの」は山橘を高めての
そんな雪を
そもそも薮柑子を「山橘」と名付ける意は、3月の雛の節句飾りでもよく知られた「右近の橘、左近の紅梅」の2つの植物は、日本で最も位の高い建物である、
どうぞ、この新年には赤く照り輝く山橘の実を観し、言祝ぎなる日を過ごしてみて下さい。できれば雪を頂いた山橘であれば、この上もなきことでしょう。