文化講座
白樫の清なる理美
<卯杖>
新春を寿ぐ常磐の木として、松や譲葉や榊や白樫などがあり、いずれもその葉に言祝ぎの意が隠されております。その中で「白樫」は、とりわけ神聖な葉を有した木として『万葉集』には詠まれており、柿本人麻呂の歌集に
(山道も分からないことだ、白樫の枝も
ここでの雪がたわわに降り、行く道が解らなくなっている状況からは、恋しい人との逢瀬が叶えられるか否かの不安感を漂わせていますが、歌の中に「雪」と葉裏の白(灰白色)い「白樫」を出合せ、「白色」即ち「清白」から、偽りなき恋であることの深さを示し、厳しい恋が成就することの意が隠されているのです。
そうした偽ることのない白樫を「
1月11日に熱田神宮で行われる「
この卯杖の「
どうぞ、この新春には熱田神宮を拝し、「踏歌神事」を観して、境内の白樫の葉に触れて願い事を成就させてみて下さい。本年の御題は「葉」です。