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日常会話に役立つイタリア語

石黒 秀嗣

レッスン38 イタリア語のことわざ その5


カプリ島:モーゼの像(陶器)
Capri / Una Statua di Mosè (Ceramica)
石黒家所蔵

レッスン38 イタリア語のことわざ
その5 ことわざF~N

【F】

25. Finché c'è vita c'è esperanza.(命あっての物種):イタリア語では「命のある限り希望はある」という意味。何事も命あって出来ることで、死んでは何にもならないと言うこと。finché「...するまで、...かぎり」finchéと言う接続詞は、時として冗語的に否定文の形をとるが、nonは付けても付けなくてもその内容は肯定的である。例えばAspettami finché io (non) venga.「私が来るまで待ってくれ!」、Ha abitato qui finché (non) è andato in pensione.「彼は年金生活に入るまではここに住んでいた」、Può rimanere qui finché vuole.「いたいだけここにいてもいいですよ」

26. Fidarsi è bene, non fidarsi è meglio.(人を見たら泥棒と思え):イタリア語では「信ずるはよし、信じないのはもっとよい」と言います。
darsi「〈...を〉信頼する、頼りにする」

【G】

27. Gente allegra il ciel l'aiuta.(笑う門には福来たる):イタリア語は「神は陽気な人を助ける」と言います。

28. Giovane ozioso, vecchio bisognoso.(怠慢な若者は老いては貧する):ozioso「何もせず過ごす、無駄な、無意味な」、bisognoso「窮迫下、貧困の」

【I】

29. Impara l'arte e mettila da parte.(芸は身を助く):mettere da parte「(別に)取っておく、蓄えておく」の意味。imparamettiも2人称単数の命令形
またChi ha arte, ha parte.「手に職を持つ物は困らない」とも言う。

30. Il gioco non vale la candela.(骨折り損のくたびれ儲け):イタリア語では「ばくちではロウソクもかえない」と言います。

31. Il tempo è denaro.(時は金なり):同じようなことわざにIl denaro è la chiave che apre tutte le porte.「金さえあれば望むものはすべて手に入る」(地獄の沙汰も金次第)があります。
お金に関することわざはいろいろあります
Finito il denaro, addio l'amore. Senza soldi non si cantano messe.
「金の切れ目が縁の切れ目」
Il denaro è tondo e conviene che rotoli.「金は天下の回りもの」
conviene che+接続法「...する必要がある、したほうがよい」rotolirotolare「回す、転がす」の接続法現在単数形。同じようにIl denaro va e viene.もよく使います。

32. Il mondo è fatto a scale, chi le scende e chi le sale.(世は回り持ち):イタリア語は「人生は階段のようなもの、下りる者もいれば上る者もいる」と言います。

【L】

33. Lontano dagli occhi lontano dal cuore.(去る者は日々に疎し):会わないと心も遠ざかると言う意味です。

34. La lingua batte dove il dente duole.イタリア語のことわざで「舌は痛い歯に触れるもの」気になる事柄があるといつもそのことで思い悩むという意味。duoledolere「痛む」の直説法現在三人称単数形

35. L'ozio è il padre di tutti i vizi.(小人閑居して不善を為す):イタリア語では「怠惰はすべての悪徳の父である」と言います。

36. Il lupo perde il pelo ma non il vizio.(三つ子の魂百まで):イタリア語では「狼の毛が抜けても悪癖は直らない」と言います。

【M】

37. La mala erba non muore mai.(憎まれっ子世にはばかる):イタリア語では「雑草は枯れることがない」と言います。人から憎まれるようなものほど、逆に世間では幅をきかせるものであるという意味。

38. La migliore difesa e l'attacco.(攻撃は最大の防御)

39. Meglio un uovo oggi che ama gallina domani.(明日の百より今日の五十):イタリア語では「明日のめんどりに期待するより、今日のたまごの方がいい」と言います。あてにならないものに期待するより、たとえ少なくても確実なものの方がよいということ。

40. Molti pochi fanno (un) assai.(小が大をなす、塵も積もれば山となる):assai「多量、たくさんのもの」

41. Meglio poco che niente.(少しでもないよりはまし)

42. Meglio tardi che mai.(六十の手習い):学問や習いごとをするのに年齢制限などなく、たとえ晩年に始めても遅すぎると言うことはないという意味。

43. Morto un Papa se ne fa un altro.(たとえローマ教皇が亡くなっても、また次の教皇が立つ):何にでも埋め合わせは可能なもの。イタリアならではのことわざです。

【N】

44. Non c'è due senza tre.(二度あることは三度ある)

45. Non destare(svegliare) il cane dorme.(藪をつついて蛇をだすな):イタリア語では「寝ている犬を起こすな!」という意味。せっかく物事が収まっているのに、余計なことをして面倒を起こすなということ。

46. Non dire quattro se non l'ha nel sacco.(捕らぬ狸の皮算用):イタリア語では「袋に詰めるまでは四匹捕ったなどと言うな!」
同じようなことわざにNon vendere la pelle dell'orso prima di averlo ucciso.(熊を殺す前に熊の皮を売るな!)があり、まだ手に入るかどうかわからないものを当てにするなということ。

47. Non è bello ciò che bello, ma è bello ciò che piace.(たで食う虫も好きずき):イタリア語では「美しいものが美しいのではない、好きなものが美しいのである」と言います。

48. Non c'è peggior sordo di chi non vuol inendere.(勝手耳ほど都合のよいものはない):イタリア語では「聞く気のない者がいちばん耳の遠い人」intendere「理解する、わかる」という動詞、ここでは「耳を傾ける、耳をかす」という意味。また名詞のintenditore「目きき、通、鑑定人」、intenditore di vini「ワイン通」も一緒に覚えましょう

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