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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

幸せになる健康栄養食を食べるには―「食は連帯とつながりのモト」

 「生きるための食」は私達が生命機能を営むために必須です。
 また、私達は現代社会では一人では幸せに生きていけません。
 我が国では縄文時代から食を共にすることは人間同士がつながる連帯や絆のために大変重要な意味を持っています。
 孤食のみではなく、単食、家庭に属していても一人で食べる個食が多くなっています。
 また、家族内でも一緒に食べていても、好き嫌いによって別々の食べ物やメニューで食べていることも多くなっています。
 以前は日常の風景であった家族が同じメニューを囲んで食事の味について団欒、語らい合うことも少なくなりました。
 "個食"は集団社会でも多くなっています。
 子供の時から時間を共にした家族の食スタイルは減って、食べ物や調理法によっていろいろ変わる食べるものに簡単に好き嫌いを決めない教育の場が少なくなっているのです。

 縄文時代は20~30人ぐらいの小集団が集落を作って、それぞれが連帯し、協働して助け合って食を囲み平和に暮らしていたのです。
 そうした小集団は陸でのつながりだけでなく海を隔てた遠方の集落ともそれぞれの特産物などを分け合っていました。
 我が列島では、そうした平和な時代が一万年以上続いて農耕も始めていたのです。
 しかも、その間には集落どうしが武力的な戦いをすることなく平和な時代でした。
 集落どうしの組織的な争いが始まったのは弥生時代になってからなのです。
 縄文時代のお米は陸稲でしたが弥生時代は水田で作るようになって有利な地域をめぐって争い出したからです。
 悲しいかな、現代もますます特定の国や民族などとの争いは人間が絶滅する可能性を秘めているような武力レベルで続いています。
 AI、IoT、工業技術や生命科学の発展によって、人間の機能や臓器の部分を代用や代替えする電子臓器、再生組織や臓器で置き換えられるサイボーグ(cyborg)やバイオボーグ(bioborg)が身近になる時代です。
 既に、多くの人達がサイボーグやバイオボーグ的医療を受けています。
 栄養成分も含む食べるものや食スタイルが大きく変わる可能性があります。
 そうした時代に人間が如何様になるかと同時に共飲共食が社会で果たしてきた役割も大きく変わる可能性があるのです。
 遺伝子編集や再生医療、ヒューマノイドやAIロボットが人間を改造するような現実が身の回りで起こる可能性があるからです。
 食を囲む共飲共食の喜びや語らい人間を幸せにする重要な意味を持ちます。

頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド
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