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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

美食の健康栄養食-1

 「かて茶&かて食」は天命起臥之道での日常的な家庭料理としての健康栄養食です。
 「かて茶&かて食」は英語で言えばFashionably Frugal Drink & Food(おしゃれに倹約した飲食)の美食を意味します。
 出来るだけ地域の新鮮な四季の食材を調理して、その持ち味を活かした素朴でシンプルな料理を楽しむのです。
 陶芸家として知られる北大路魯山人は美食家で料理人として有名ですが、四季の新鮮な地域食材を大切にして、砂糖や調味料は少なめにして、素材の味を生かしました。
 あれこれと食材を複雑に調理することは行わなかったのです。
 例えて言えば、白米ご飯や精製小麦と塩だけのようなパンなどと「味なき旨味」があって毎日食べてもあきないような「味なき旨味」を大切にしました。
 魯山人は「砂糖は味を瞞着する(ごまかす)」と言っています。
 砂糖は糖質であり、沢山食べるのは急速血糖上昇や内臓脂肪を誘発するために健康に良くありません。
 「かて茶&かて食」は健康栄養食として素材を大切にして、シンプルな調理によって出来るだけ栄養素を壊すことなく料理する美食です。
 そうした美食を家族や友達などと寄り合って、会話を楽しみながら美味しく食べることが重要です。
 食は魯山人が言うように日常茶飯の愛のこもった家庭料理を基本として、四季の食材の味を生かして健康的に言っても理に適った調理をするのです。
 天然味を大切にして、現在盛んに用いられる添加物を含めた人工味によって素材の味を殺さないように努めねばなりません。
 魯山人は「粗末な材料でも自然を学ぶと美味しさを生み出し、人生を明るくする」としています。
 「家庭料理、精一杯のまごころ料理」に変わって「今日の簡単主義と、ものぐさ主義が商業料理へ追いやってしまって家庭料理は破壊に陥いった」と指摘しています。
 国際社会では食材の調理は無駄なく使う「廃棄物ゼロキッチン運動(Zero waste kitchen Movement)」を進めています。
 鎌倉時代初期の曹洞宗開祖の道元はその著「典座教訓」に「余すことなく使う」と記していますが、魯山人もその先駆者で「大根の皮の部分こそ味がある」「米一粒でさえ用を全うしないで捨て去ってしまうのはもったいない。ことごとくその用を使い果たすところに、天命がある」としています。
 魯山人の美食料理「かて茶&かて食」基本とする天命起臥の健康栄養食なのです。

頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド
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