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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

かて食&かて茶のグローカル食で「やわらかくつながる」-10

 私が子供の頃は、自宅で家族がそろって食事をするのが普通でした。
 ご飯を始めとして副食と言われる料理も素材から調理して食べることがほとんどだったのです。
 最近は家族そろって朝食や夕食を食べることは大変稀となっています。
 卓袱台がほとんどの家庭の食事スタイルから消えていることからも判ります。
 加えて、料理の多くが、既に調理されているレディメイド食品を食べることが多くなりました。
 家族の構成も複数の子供、両親や祖父母が一緒に食卓を囲むことはほとんどなくなっているのではないでしょうか。
 「サザエさん」のようにサザエさんの夫、フグ田マスオさんの家族がサザエさんの実家の磯野家と二世帯同居して食事も一緒に食卓を囲むのが普通だったと思います。
 食卓を囲むことが縄文時代以来のバンド・家族共同集団のキーだったのです。
 家族のみならず、他人とでも一緒に食卓を囲むことで、一人ひとりの心情や元気さを含めた健康であるかどうかが自ずと伝わるのではないでしょうか。
 また、お互いの日常的な会話によって相手を知ることが出来るのだと思います。
 近年は、ICT(インフォメーションコミュニケーション技術)が発達してリアルタイムでお互いが情報端末のスマホ、iPad、パソコンなどの画面を介して姿、様子を見ながら会話が出来るようになっています。
 私事ですが、カナダに在住している娘の家族、特に私から言えば孫の二人と週末に会話していると、地理的な遠さは忘れてしまいます。
 元気かどうか、何か問題がありそうかどうかなどの心の動きも伝わると感じます。
 また、どんなものを喜んで食べているかや一緒に食べている感じも伝わります。
 食事を一緒に食卓を囲んでお互いが向き合って「やわらかくつながる」こととITの情報端末を介して食を一緒にする「やわらかくつながる」とはどのような気持ちや思いやりに違いが出るかが課題となると思います。

頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド
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