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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

かて茶&かて食の健康栄養食の条件-7 日常の食生活-2

 私たちの日常的な食事は、今や一人ひとりが異なっている多様化が起こっています。
 日常の生活環境や食生活スタイルが大きく変わり続けているからです。
 昭和スタイルの食生活を経験してきた私にとっては大変な異次元の食べ物、食品に囲まれています。
 私は小学生のころから母親に代わって台所仕事・おさんどんをやっていましたからその違いが身にしみるのです。
 当時は、ほとんどが地域の食材を調理して食べていました。
 地域の八百屋さんや鶏肉屋さん、魚屋さんから買ったのです。
 鶏肉屋さんも、主人が自分で鳥を解体していましたから、その解体法を熱心に見守っていたものです。
 又、近くの池や川で魚を釣ったり、仕掛けをかけてウナギなども捕まえ調理をしました。
 戦後は、家ではトマトやナスなどの夏野菜、サツマイモ、ジャガイモなどを育てるのみならず、麦踏も行っていました。
 今や、そうした食材を手に入れて調理する生活スタイルはほとんど消えています。
 スーパー、コンビニやデパ地下などから手に入れることが多くなりました。
 加えて、宅配やネットで購入することも少なくありません。
 私は海外のようにファーマーズマーケットや市場が近くにあってほしいと思っています。
 最近は、少しずつレディメイド食材や食品で原材料の表示、原産地や流通経路が判るように取り組まれるようになっています。
 しかし、そうした表示もいろいろな条件があって、ちょっとした処理や対応によっては、表示義務がなくなってしまいます。
 人々の健康を考える食品業界なら積極的に情報公開をする姿勢が必要だと言えます。
 さらに、問題となるのが、食品化学の進歩によって添加物が加工食品のほとんどに加えられようになったことです。
 天然成分であるか、化学合成成分であるかによって取り扱いも変わってしまいます。
 考えようによっては、食べ物の安定供給ともなりますが、遺伝子技術も含めてシッカリ検証評価することが重要になっています。
 情緒的ではない科学的な評価が必要です。
 わりご、サンドイッチや寿司などによく用いられる"マヨネーズ""醤油"が化学成分だけから作られた"合成製品"を用いており、知らないで食べることは珍しくないのです。
 食品化学による"モドキ"食品、食材は日常的になっています。
 敗戦末期からの食材や物のない時代の代用醤油などとは異なった代替化学食品の時代が進んでいるのです。

頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド
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