文化講座
幸せになる健康栄養食を食べるには-ニュートリゲノミクス(分子栄養学)テーラーメイド栄養学とニュートリゲノミクス・・4
肥満とテーラーメイド栄養学・・1
肥満に分子栄養学(エピジェネティクスやニュートリゲノミクス)がどのように関連しているかを学びましょう。
肥満は食べるエネルギー(カロリー)が身体の動きや運動によって消費されるエネルギーより多くなると余ったエネルギーが脂肪組織として貯えられることにより引き起こされます。
WHO(世界保健機関)による肥満の基準はBMIが30以上の人達を言います。
脂肪は白色脂肪細胞が内臓脂肪として蓄積された結果です。
内臓脂肪細胞や組織は、お腹に貯えられただけを言っているだけではありません。
同時に肝臓、筋肉や心臓の周りなどと多くの組織や臓器にもたまるのです。
皮下も同様ですが、皮下脂肪には白色脂肪細胞の他に褐色脂肪細胞や再生分化細胞が多く含まれていますから体の保温や蓄積の他にも大切な役割も持っています。
肥満でも一番悪いのは筋肉が少なく乏しい人に肥満があるタイプです。
肥満があっても筋肉が隆々としている場合と貧弱な場合がありますが、一番問題があるのは筋肉が貧弱な場合なのです。
肥満となる生活習慣要因は脂肪や炭水化物などのカロリー摂取量が多く、運動や仕事などで消費エネルギーが少なく身体活動が低下してバランスが悪くなることです。
つまりは、食べ過ぎ、食生活の乱れ、運動不足に加えて、ストレスなどの精神状態によって肥満は生じるのです。
肥満に関係する遺伝子として単一遺伝子に異常がある人がいます。
また、食糧の確保が難しかった原始社会時代からの蓄積遺伝子があります。
たまたま沢山の食べ物を食べられた時には体内に余ったエネルギーを蓄積出来る遺伝子が発達しています。
人類が肥満になれるようになったのは最近のことであり、まだ、肥満改善遺伝子はないのです。
遺伝子異常に加えて、テーラーメイド栄養学としてのニュートリゲノミクス、エピジェネティクスによって代謝を調節する遺伝子が影響を与えて肥満を調節しています。
調節遺伝子は胎児期から新生児期の臓器の形成や成熟と深い関係がありますから、新生児、母体の栄養は大変重要です。
この時期の栄養が肝、骨格筋や脂肪組織にとって重要で大人になってからの肥満と関連が深いので注意しなければなりません。