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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

かて食&かて茶のグローカル食で「やわらかくつながる」-2

 「やわらかくつながる」ことが、最も重要で大切なのは「人間は一人では生きていけない!」からだと思います。
 生きるためには、自然界から血となり肉となる栄養成分を摂取して、運動や知恵を働かせて進歩するためのエネルギーを作り出します。
 最近のNHKテレビ・BSプレミアムで放映された放送作家・児島秀樹脚本の芸術祭ノミネート作品「洞窟おじさん」の主人公のモデル加山一男が13歳から43年間を一人で自然と共存しながらサバイバル生活をしたことについて、取材で答えています。
 「怖いのは耐えられるんだけど寂しいのはどうにもならない」「一人では生きていけない!」と。
 フィリピン・ルパング島で敗戦後もゲリラ戦を続けて29年目に帰還をした軍人・小野田寛郎も同様に「一人では生きられない!」と言っています。
 前述の放送作家・児島秀樹が晩年の小野田さんを取材した時に述べたそうです。
 人間は共存することが大切だと判ります。
 頤医は複数の人間が自然を含めて共存するための必要条件となるのは「やわらかくつながる」が重要であると思います。
 「やわらかくつながる」ためには自然との「直会」を含めた「共食共飲」が大切な役割を果たすと思います。
 頤医は我が国・日本列島には縄文時代から始まる「共食共飲」文化があると思います。
 縄文時代では一万年以上の歴史で集落間など集団による殺戮はなかったのです。
 黒曜石など地域の特産物を集落間でお互いが必要なものを平和的に交換し合って補っていた歴史的遺跡を残しています。
 また、とても一つの集落だけでは築けないような巨大環状列石の遺跡が東日本の各地を中心に残されていることからも判ります。
 日本列島の歴史で縄文時代は狩猟採集生活をしていたと考えるのは今や改めなければなりません。
 アフリカが原産地だと考えられているヒョウタンは既に縄文時代早期の紀元前9600年頃には自生していなかったゴボウなどのように栽培され利用されていました。
 その他にも縄文前期にはアズキ、エゴマ、イモ類などは栽培されていたのです。
 今日でも中秋の名月や紅葉シーズンになると東北地方の河川敷などの野外で盛んになる芋煮会は縄文時代に起因する「やわらかくつながる」「共食共飲」だと頤医は思うのです。

頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド
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