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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

幸せになる健康栄養食を食べるには-ニュートリゲノミクス(分子栄養学)
テーラーメイド栄養学とニュートリゲノミクス・・1

 一人ひとりが自分に適した栄養学が判るようになって来ました。
 今までのように"漫然とした××が健康に良い"といった栄養情報ではなく、「私にとって○○がどうして良い」となるのです。
 ニュートリゲノミクスは遺伝子やDNAスイッチと言われるようなレベルで分子栄養学が判るようになって来ました。
 人によって食べる栄養成分の効果健康に与える影響は異なっているからです。
 遺伝子・DNA配列の情報エピジェネティクス(Epigenetics)と言われるDNAの塩基配列は同じでも染色体が変化するような遺伝子情報の現れ方が変わる一人ひとりの健康に適した栄養学が進んでいるのです。
 一卵性双生児の二人DNA配列が同じであっても、育つ環境が違うとそれぞれに異なった個人差、個性が現れます。
 一卵性双生児の一人が乳がんになっても片方は乳がんにならないことが起こります。
 DNA遺伝子が同一でも一卵性双生児の二人に違いが起こると言うことです。
 昆虫で言えば、女王バチ働きバチではDNA遺伝子配列は同じですが、ローヤルゼリーを食べるか食べないかによって女王か働きバチかが決まってしまいます。
 食べ物、運動、心の持ちようや環境要因などが遺伝子に影響を与えるという事です。
 日々の食や生活が遺伝子のスイッチを変えて違った成育をするのです。
 こうした変化は前述したエピジェネティクスと言う遺伝子の「スイッチ」が入ったり「オフ」になったりするのです。
 ミツバチのように栄養成分によって個体差が生じることは栄養学に遺伝子情報を取り入れた「ニュートリゲノミクス・Nutrigenomics」レベルで相違が現れると判ったのです。
 後天的に食べたり飲んだりする物などでDNA配列は変わらなくても遺伝子表現が変わるということです。
 つまり、一人ひとりの毎日の食生活や生活習慣が重要なのです。
 ニュートリゲノミクスは、ニュートリション・Nutrition(栄養)ゲノミクス・Genomics(遺伝子の使われ方がどう変化するかを網羅的に解析する)を組み合わせた分子レベルの栄養学を意味する新しい領域で分子栄養学とも言います。
 和製英語ではテーラーメイド(Tailor-made)医療と言われるように栄養学ではテーラーメイド栄養学(英語ではPersonal Nutrition)と呼ぶ新しい分子栄養学です。

 テーラーメイド栄養学によって一人ひとりに適した食事などを調べて遺伝子の発現を調節することが可能なのです。
 テーラーメイド栄養学はニュートリゲノミクスの発展で可能となったのです。
 栄養成分がDNA、RNA、蛋白質などの機能に与えるレベルの影響を網羅的解析で調べることが出来るようになりました。
 自分の健康に適した食生活をするための知恵として一人ひとりが自分のテーラーメイド栄養を知ることが大切になりました。
 一人ひとりが、××は健康に良いとのキャッチコピーに惑わなくて良いのです。 

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