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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

かて食&かて茶のグローカル食で「やわらかくつながる」-8

 人類が「生きるために食べる。食べるために生きる」には1人では長くは続かない
 フィリピンのルパング島で太平洋戦争敗戦後も30年近く長いゲリラ戦を続けた元陸軍少尉の小野田寛郎さんは初め三人だったが二人が亡くなって一人になりました。
 最後の一人になってから1年半ほどで抵抗することを止めて捜索に来た日本人と接触して帰国しました。
 その小野田さんが小塚元一等兵が射殺されて一人になり抵抗をあきらめたのは孤独には耐えられなかったからだとのことです。
 如何に精神力と使命感を持った人でも人間一人では生きていけないことを示していると思います。
 この3月20日・NHKテレビの「こころの時代」で東大名誉教授木村清孝の「さとりへの道―華厳経に学ぶ」が再放送されました。
 1600年前に成立したとされる縁起を大切にする華厳経について話されていました。
 多様な価値感や意味を持った縁起的な世界観をベースとしています。
 人は何人も一人ではなく何らかの縁起によって生きているのです。
 一人ひとりが自立的な心、意志を持っていなければならないのですが、自分以外の人がいてこそ成り立っていることなのです。
 自分が自立・自律的自由さを持つためには他の人にも同様にその自由があってこそ成り立つとなります。
 人間一人では生きていけなかった前述の小野田さんは帰国後、ブラジルに移住して開拓精神を忘れることなく食べ物の基本となる牛を飼育するために小野田牧場を経営しました。
一方で、日本ではサバイバル塾を開いてサバイバルするための術を伝授していました。
 91歳で亡くなるまで日本とブラジルを往来して縁起社会で活き活きとされていた。
 帰国後結婚もされて一人ではない家庭を築かれたのです。
 華厳経にある縁起の世界観を持って縁起共成の道を実践されたことになります。
 多様な価値観を持ち、閉鎖的社会にコモルことなく縁起を大切にして「やわらかくつながる心を持って生きるために食べよう」。

頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド
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