文化講座
楽しく健康栄養食を食べるには―「生きるための食」
「生きるための食」は、人間の体内で作ることが出来ないために飲んだり食べたりしなければならない「成分」だと言うことです。
江戸時代後期の米沢藩主の上杉鷹山は飢饉が起こった時に「飢餓救済食」として藩民に配布するために手引書「かてもの」を刊行しました。
米が不作となっても食べられるありとあらゆる植物や魚、鳥獣などを調査してまとめたのです。
次の飢饉では飢餓死者を一人も出しませんでした。
その手引書には、飢饉が発生した時の藩内で食べられるものの紹介だけのみならず調理、料理の仕方までも書かれています。
今日の日本や世界中では戦争や気候変動などによって飢餓が発生する可能性が高まっています。
先進国を中心に食品ロスが多い飽食時代と言われていますが一方では世界の飢饉人口は8億人以上、9人に一人に達しているのです。
また、多くの人達が多数の添加物や食品化学製品などの人工的な食材・食品に加えて遺伝子操作食材を食べる時代となっています。
つまりは、自然界の食べ物のみならず、人類があまり経験していない食生活が始まる時代となっているのです。
また、「家事」として家庭内で調理する「食事」からレディーメイド食品などと多様な「食生活」が普及しています。
「外食産業」がどんどん普及しています。
家庭では伝統的な包丁などの調理道具やお茶などを飲むためのお茶葉や急須を持っていない生活も広まりつつあるのです。
コンビニやスーパーなどでは既に野菜なども調理してカットして売られてもいます。
AI、IoT、3Dプリンターなどの技術開発が進んで食べ物も自動的に調理することが出来るようになってきました。
人間は、ますます"家事"と言われてきた素材からの調理をする家庭料理は姿を消す可能性や家庭では料理をしない人々が多くなると予想されます。
今後は、人間の食生活は、人間の体内で新陳代謝によって作り出すことの出来ない「必須成分」は何か、どのように調理するのが良いかを知っていることが重要になります。
三度の食事を何にしようかと考え、買物をして調理することが老化予防防止になったり、認知症の改善となることも忘れてはいけません。
健康栄養食として「生きるための食」の調理、摂取の仕方は人間が「新考える葦・New-Thinking Reed」(「天命起臥之道に生きる」を参照)であるために重要なのです。