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家計のサポート相談員のコラム

株式会社 マネースマート

円安が家計にあたえる影響は?

 「円安が進んでいる」とニュース等で聞き、家計にはどのような影響があるのだろう?そもそも「円安」ってどういう意味?と疑問に思う方もあるでしょう。今回は「円安」の意味や家計への影響を確認してみましょう。

1.「円安」とは?
 海外旅行などで、円をドルなどの海外の通貨に交換することがありますね。その際の「円と海外の通貨を交換するレート(比率)」を「為替レート」といいます。「1ドル=100円」は100円と1ドルが交換できるということです。この交換レートは需給関係により日々変動しており、1ドル=100円から1ドル=120円となることを円安、逆に1ドル=80円になることは円高といいます。
 ここで、「100円から120円に高くなっているので円高では?」と思う方もあるかもしれません。この疑問を解決するにはドルの価値から考えてみるとわかりやすいでしょう。1ドル=100円から1ドル=120円になったということは1ドルの価値が100円から120円に高くなったということです。ドルと円の為替相場でドルが高くなったということは、逆に円が安くなったということで「円安」なのです。

2.「円安」が家計にあたえる影響は?
 2022年は20年ぶりの円安水準となりました。この円安は私たちの家計にどのような影響があるのでしょうか?
 まず、輸入品の価格が上昇することにつながります。1ドル=100円であれば100ドルの製品を輸入した場合、日本円では10,000円(100ドル×100円)ですが、1ドル=120円になると同じ製品でも12,000円(100ドル×120円)ということになります。また、原材料を輸入に頼る商品なども価格上昇につながります。
 円安で物価が上がるのは家計にとっては嬉しくありませんが、輸出で利益を得ている企業にとっては円安で利益が増えることに繋がります。単純な例で考えると、アメリカに製品を輸出して100万ドルの売上を上げた場合、1ドル=100円であれば円に換算すると1億円ですが、1ドル=120円であれば、1億2千万円となります。輸出を中心としている企業に勤めている場合、企業の利益が上がれば給与やボーナスの増加が期待できるかもしれません。

3.金融商品にあたえる影響は?
 円安は家計の金融資産にも影響をあたえます。外貨預金や外国の株式・債券、投資対象が外国の株式・債券である投資信託を保有している場合、円安はプラス要因となります。
 アメリカの会社の株に投資した例で考えてみましょう。1ドル=100円のときに1万ドルの株を買うと、日本円では100万円を投資することになります。その後1ドル=120円になると、1万ドルという株価は変わっていなくても、円に換算すると1万ドルは120万円となります。(簡略化のため手数料等は考慮していません)

 円安で金融資産の時価評価額が上がるのは嬉しいですが、この後どうしたらよいだろう?と迷うこともあるかもしれません。短期で利益を上げたいと考えている場合は解約(売却)して利益を確定するという選択もありますが、iDeCoやつみたてNISAなど、長期積立投資を前提とした制度で運用している場合は、短期的な結果で一喜一憂するのではなく長期の目線で考えることも重要です。

石川 友紀
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社家計の総合相談センター

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