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家計のサポート相談員のコラム

株式会社 マネースマート

4月からの、お金の改正スケジュール

 この時期になると「4月からはこう変わる」というお決まりの見出しがあふれます。今年は、年金などの社会保障・教育・優遇税制の見直しなど、家計に係る変化があります。これだけは知っておきたい「お金の改正スケジュール」をピックアップさせて頂きました。皆さんが活用できそうな改正はどれでしょうか?

【4月】公的年金の見直し

 注目されているのが、公的年金の繰り下げ受給です。これまで、年金の受給開始年齢は60~70歳の間で選ぶことができましたが、4月からは選択肢が60~75歳に拡大されます。例えば65歳で働いて収入があれば、年金の受取り開始年齢を1か月後ろ倒しするだけで、1か月0.7%ずつ増額。仮に65歳で月約65,000円の基礎年金の場合、受取り開始年齢を75歳にすると月約12万円に増額できます(75歳からの受給額は65歳と比べて84%UP)。

 また、これまで60代前半で年金をもらいながら働く場合、収入が月28万円超になると年金が調整(カット)されていましたが、4月以降、その基準額が月47万円と緩やかになります。さらに、65歳以降厚生年金に加入して働く場合は、毎年の年金増に反映される制度(在職定時改定)も始まります。

【4月】確定拠出年金(DC・iDeCo)の見直し!①

 働く世代が、税の優遇を受けながら老後の年金をふやす確定拠出年金(DC・iDeCo)も、老齢年金の受取開始上限年齢が5年後ろ倒しされて、75歳まで繰り下がります。※1

【4月】成人年齢が、20歳から18歳に!

 民法上の成人の規定が2歳若くなります。例えば、自分だけの判断で、投資を始めたり、クレジットカードを作ったり、借金の申込みが可能になります。また従来「未成年だから」という理由で、行使できた契約の取消などの要件も、厳しくなる可能性があるため、注意が必要です。

 なお、成人年齢の引き下げに伴い、一般NISA(2014年1月にスタートした、少額からの投資を行う方のための非課税制度)は、2023年以降、18歳以上の方が利用できるようになります。

【4月】学校で、金融教育がスタート!

 正しい金融知識を若いうちから身につける取り組みも始まります。具体的には、4月から高校の家庭科の授業に金融教育が組み込まれます。人生で必要なお金との向き合い方から、株式・債券・投資信託など金融商品の基礎知識を、学校で学び、社会に出る時代が始まります。

【5月】 確定拠出年金(DC・iDeCo)の見直し!②

 DCに加入できる年齢が、5年間長くなります。iDeCoは65歳まで、DCは70歳まで加入が可能になり、その分、税制優遇を受けながら積み立てを継続・運用できる期間も伸びます。※1

【10月】パートなどの厚生年金・健康保険の拡充!

 短時間労働者に対する厚生年金などの適用が拡大されます。例えば、これまで厚生年金加入の対象外だった中小企業などで働くパート・アルバイトさんにも枠が広がります。段階的に広げていますが、10月からは就労時間など一定の条件を満たすと従業員数101人以上の会社で対象となります。

【10月】 確定拠出年金(DC・iDeCo)の見直し!③

 勤務先にDCがある企業の従業員にも、一定の条件下で、iDeCo加入の間口が広がります。※1

【10月】75歳以上の医療費自己負担が、1割から2割へ!

 75歳以上が加入する「後期高齢者医療」。一定の所得のある高齢者の医療費の窓口負担割合が現行の1割から2割に上がります。高齢単身世帯で年収200万円以上、夫婦世帯で年収計320万円以上が目安です。厚労省によると75歳以上人口の5人に1人が対象になる見込みです。(施行後3年間は、負担増を1カ月当たり最大3,000円に抑える激変緩和措置があります)。

 どの改正もキーワードは、人生100年時代。できるだけ元気に長く働きやすい環境を、国が支援したり、若い時から一生安心して暮らせるように、しっかりお金を貯める習慣を応援したりする改正です。取り巻く環境の変化を味方につけて、前向きに税制優遇などは活用したいものです。

※1:詳しくは、見出し『確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の改正』を、ご覧下さい。

堀之内 千津
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社家計の総合相談センター

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