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家計のサポート相談員のコラム

株式会社 マネースマート

第二の人生を安心して生活するために

 春は別れと出会いの季節。
学生時代は入学、卒業でたくさんの友人や恩師と、社会人となってからは入社や転勤、転職を経て同僚、上司、後輩と。
そして会社員の方には、いつか会社を卒業する時、退職が訪れます。
今は人生100年、定年退職も60歳から65歳へと変わりつつある時代ですが、何事も事前の心構えが大切です。第二の人生を安心して生活できるように、定年前に心得ておくこと、確認しておくことを把握しておきましょう。

年金

1.自身の年金制度はどんな仕組みか?どんなもらい方があるか?
 会社員であれば老齢基礎年金に上乗せで、老齢厚生年金が2階建てで支給される終身年金です。
企業によっては更に手厚い企業年金などがある場合もあります。
そのもらい方も終身なのか?期間が指定されているのか?
一時金でもらうか?年金としてもらうか?退職所得控除額も考慮し、税金に関しても確認して選びましょう。
企業型がある方は会社に確認、それ以外の方は年金事務所にご相談されると良いです。

2.年金見込み額の確認
 いつから、どんな年金がいくらもらえるか?
こちらは「ねんきん定期便」「ねんきんネット」「ねんきんダイヤル」(0570-05-1165)。
ご自身でねんきんネットで試算も出来ますが、最寄りの年金事務所で試算してもらえます。
配偶者の分を試算してもらう時は「委任状」が必要です。

3.年金の請求手続き
 年金をもらう年齢の誕生日の約3か月前に、「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」が郵送されます。
必要事項を記入して、必要書類をそろえて年金事務所に提出。(郵送でも可)

<必要書類の確認>
1.年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)
2.年金手帳・年金証書
3.雇用保険被保険者書(コピー可)
4.戸籍謄本
5.住民票(世帯全員・全項記載)
6.非課税証明書または課税証明書(配偶者のもの、場合により請求者のもの)
7.年金振込先の銀行口座の通帳
8.印鑑(認印で可)
9.マイナンバーカード等

※戸籍、住民票は誕生日の前日以降の日付のものが必要です。

雇用保険

1.雇用保険からの給付は基本手当(失業手当)以外にもたくさんの給付の種類があります。自身はどの対象になるか確認しておきましょう。

退職後仕事をしない場合は基本手当、再就職後の給与が60歳時点より低下した時は高年齢雇用継続基本給付金、65歳以降に退職された場合は加入期間によって高年齢求職者給付金を受けることが出来ます。それぞれ条件などもありますので、自身が給付を受けられる条件にあてはまるかどうかも確認され、退職後の働き方の参考にされると良いでしょう。

健康保険

1.退職後の健康保険はどうするか?

  ①任意継続被保険者になる
  • 退職後も今まで加入していた健康保険(協会けんぽ、組合健保)に、2年間の期間限定付で引き続き加入する仕組みです。
  • 保険料は全額自己負担となります。
  • それまでの所得によっては、国民健康保険に加入するより安い保険料で済む場合がありますが、原則途中で脱退は出来ません。
  • 退職日の翌日から20日以内に手続きする必要がありますので、早目に検討しておきましょう。
  • 今まで家族を扶養にしていた場合、引き続き扶養に入れれば保険料はその分安くなります。
  ②国民健康保険に切り替える
  • 手続きは市区町村の国民健康保険窓口です。
  • 保険料は住民票の世帯単位の収入で計算されます。今まで扶養にされていた家族も全て保険料を払う被保険者になります。
  • 保険料は「所得割額」「均等割額」からなりますので、前年度所得にもとづいて計算されるため、退職直後は高くなります。
  • 解雇や病気での退職の場合は軽減措置を受けられる場合もあります。
  ③配偶者や子などの被扶養者になる
  • 配偶者や子などの三親等内の親族の扶養家族になる。「主として健康保険の被扶養者によって生計を維持されている」「同一の世帯に属している」
  • 年収が180万円未満(60歳未満は130万円未満)かつ健康保険被保険者の年収の2分の1未満であること。
  • 退職後、雇用保険を受給していないこと。ただし基本手当日額が5,000円未満(60歳未満3,611円未満)の受給の場合は除く。

年金生活に入る人、再就職される人、年金とパートで暮らす人・・・
どのような暮らし方を選ぶかは、ご自身で退職金額・年金の受給額・配偶者の収入等々を把握し、事前に家族の方とも話し合い、長い第二の人生を安心して過ごせる準備をしていただけたらと思います。

佐野 圭子
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社家計の総合相談センター

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