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旅・つれづれなるままに

細矢 隆男

第12回 究極の露天風呂 泥湯温泉(秋田県湯沢市高松泥湯沢・奥山旅館)


泥湯の露天風呂

 紅葉の美しい季節になりました。私は奈良に住んでおりますが、高い山はすでに紅葉となりました。奈良は秋といえば法隆寺の俳句で柿が有名で、しかも街道筋で売られる山盛りの柿は驚くほど安く、しかも美味しいのです。私は柿が大好きですから、それを買いに行くこれからが楽しみなのです。

 さて、順次私個人がこれまでに学生時代から経験した温泉で、素晴らしいと思ったおすすめできる温泉をご紹介いたします。やはり「旅」は好みによりますが、景色、歴史、美術(民芸)、乗り物、温泉(宿の施設含め)、食事でしょう。


温泉入口にある源泉の蒸気

 私は若い頃から旅行が好きで、日本ばかりではなく、海外も旅して来ました。これまで旅行作家として以外に古美術を仕事として来ましたが、温泉を考える時に、どうしても地域の歴史や文化、美術の背景を考えてしまいます。私は東北六県の伝統文化である「こけし」の謎を探る取材をした折りにこちらの温泉にお世話になり、素晴らしい温泉だと感動しました。


謎を秘めた東北のこけしたち 窓からふるさとの雪景色を眺める

 東北は機械のない昔から長期にわたる農作業の疲労回復のための「湯治」としての温泉での滞在が多く、更に山や浄土への信仰、そして山岳修験者の修行との関わりがあるケースが多くみられます。

 近年の旅行ブーム、秘湯ブームがあり、バブル景気崩壊後は宴会型団体温泉旅行から、個人的な家族旅行に人気が移り、規模が小さく、交通不便な秘湯が見直されて来ました。しかしコロナ感染の影響で外出しにくい期間がありましたが、山奥の温泉は都会、市街地より空気も清浄で健康的で解放感があり、宴会の騒ぎと酒を好まない方々から好意的に見られ、感染リスクも少ないと考えられるところから徐々に回復傾向がみられるようになりました。


温泉の町並み

 私はこれまでに冬を含めてたくさん東北旅行をしてきましたが、来年早々の冬の写真撮影旅行を考えています。そこで再度訪問したい温泉の筆頭が今回の秋田県湯沢市郊外の「泥湯温泉」です。学生時代から馴染んでいる恐山温泉も私は大好きな温泉ですが、例年11月から翌年4月末まで雪のため入山禁止となりますから、冬季の入浴はできません。泥湯温泉もかつては冬季休業がありましたが、いまは除雪も進み、スノータイヤも進化して休みはなくなり、大変ありがたいです。


寒気が急にもみじの紅葉を美しくする

 冬の東北対策としては、防寒も大切ですが、やはり車の場合は雪対策でしょう。スノータイヤは必需品です。ノーマルタイヤは全く用をなしません。

 冬季の泥湯までの交通機関としては、個人の車以外にはレンタカー、タクシー(あらかじめ到着地までの料金を聞いてください)、※シャトルバスがあります。(※下記参照)


ひなびた温泉食堂の看板

 私がこの温泉で推薦するのはやはり露天風呂です。温泉入口には源泉の蒸気がモクモクと上がり、雰囲気最高です。さらに昔からある温泉宿や食堂が小さな山あいの温泉町を形成してます。秘湯、ひなびた温泉、侘びた温泉というのにふさわしい、私個人としては究極の日本の秘湯に近い幾つかの温泉の一つと思われます。


露天風呂から見る雪景色

 湯質は温泉マニア垂涎の白濁に近い硫黄泉です。「泥湯」の由縁ですが、温泉の底には成分が泥のように溜まり、他では味わえない、不思議な感触の経験ができます。まさに「泥湯」の名前の由来でしょう。

 温泉効果としては疲労回復・高血圧・抹消循環性疾患・リウマチ・慢性中毒症・糖尿病・慢性的便秘・慢性気管支炎などとされています。

 解放感のある露天風呂で、ゆったりとした山に囲まれ、心からくつろげる空間と湯です。湯上がりのビールやお酒、料理をいただき、生きている喜び、充実感にひたれること請け合いです。


温かい蒸気にたむろする、珍しい温泉越冬雀たち

※注意・コロナ感染対策としての衛生・清掃管理面から月・火・水と休業する予定があります。来訪の場合は宿に連絡してください。また高熱の方や衰弱した方は入浴禁止となります。

※シャトルバスにつきましては湯沢駅から片道2000円で、予約は各旅館にお問い合わせください。

昔からの宿で有名なのは、奥山旅館と小椋旅館です。詳しくはネットで検索してみてください。

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