文化講座
「新考える葦・New‐Thinking Reed」となろう-36 デジタル民主主義&公益社会―10
COVID-19(新型コロナウイルス)はδ株やµ株のようなウイルス変異株が次々と発生、感染すると予想されたにもかかわらず、政府の対策は後手、後手に回っています。
我が国の政府がアフガニスタンからの邦人救出作戦でも自衛隊の輸送機で退避が出来たのはたった一人で終わりました。
しかし、G7のドイツ、カナダ、フランスは8月の26日で、イギリス、イタリアは27日で救出作戦は大半を救出して終了しました。
韓国はテロ集団のISによるテロ発生前に全員が出国していると言う。
我が国がいずれの場合も、如何に緊急対策で戦略的動的対応が出来ない中途半端な国かと言うことです。
IT革命でも後手に回っていることは明らかです。
遅ればせながら、9月1日にようやくスタートしたデジタル庁は民間人も含むと言っても首相を頂点とする既存の体質を持った大臣や高級役人中心の縦割り体質であることが明らかになっています。
デジタル庁長官と役人たちを早々に減給したり処分しなければならないような政官界伝統の不透明な業界との関係が明らかになりました。
デジタル庁の東京オリンピック・パラリンピック向けアプリ開発の発注事件ですが、おそらく大臣、幹部職員も含めたその調達の公平性に不透明な旧体質があるのです。
ビジネスの世界でも、アメリカの巨大IT企業(Big Tech,GAFAM)にアイデアと戦略によって対抗しようとするような我が国の企業には勢いはありません。
Shopify・ショッピファイはカナダのオタワで創業、拠点を置いて独自の戦略で、巨大アマゾンに対抗しています。
出店したい人たちには出店者第一主義で参加し易い様になっているのです。
カルフォルニアのシリコンバレー発とは異なった戦略でアマゾン流では満足しないD2C(Direct to Consumer)ブランドとして成長しており、早やイーベイを抜いて2位に躍進しています。
Netflix・ネットフリックスは既にアップルやアマゾンなどのメジャーに勝ってトップブランドになっています。
リモート世界ではメタバースと呼ばれる自分の分身であるアバターを使う仮想空間の世界やAIロボットが普及する異次元のリモート社会が出現しようとしています。
誰もが自分の仕事がブルシット(どうでもいい仕事)とならないかを考えなければなりません(『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』)。
我が国では70%以上の人たちが会社などの主導する仕事で日々を過ごしていると言われていますが、国際社会を含めた社会全体を見渡しながら自分の仕事や行動を意識していなければなりません。
コロナ対策では科学に基づかない「命より経済優先」的な対応、アフガン邦人救出では、自衛隊の飛行機を出動させると言う実績作りをするために遅ればせに出動して一人の日本人の救出を行っているような体質を見過ごすことは今の時代では危険です。
東京オリンピックでは、10代からのZ世代のメダリストが主流となっています。
eスポーツが野球やソフトボールに代わってオリンピック競技となる時代なのです。
心すべきは透明性の低い国である我が国のような多くの善良な普通の人たちが黙って参加している生産性の低い社会や国では危うい将来なのです。