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インターネット公開文化講座

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「天命起臥之道」に生きる

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

「新考える葦・New‐Thinking Reed」となろう-28 デジタル民主主義&公益社会―2

 デジタル民主主義&公益社会を築くには、一人ひとりが自律的な考えを持つことです。
 公益社会を築くには「社会規範(Social Norm)が重要」だと思います。
 2020年はCOVID-19に始まり、新年もそのパンデミック禍に揺れています。
 生命科学の進歩によって、今まで5年ぐらいは必要だったワクチン開発は1年以内に成功しました。
 ワクチン開発で科学的事実と人間レベルの効果や副作用を公表して成功した国はイギリス、ドイツ、アメリカの組合せでした。
 この成功は総合的な生命科学、AI技術に加えて治験体制と開発システムを動的で社会規範に適うように多様な人達とグローバルなチームが協力したからです。
 日本は口先ばかりの「Diversity(多様性)」「Inclusion(巻き込み)」を唱えるだけでは遅れます。
 我が国は既に何度も繰り返し言われているDX化を新年から促進しようとしています。
 しかし、デジタル社会は国家と国民や全ての人たちが信頼できる社会でなければ導入には「原発」同様に「不信」で進みません。
 加えてワクチン開発のみならず、IT(DX)や地球環境問題(GX、Green Transformation)でも意欲に乏しく国家的に遅れています。
 デジタル社会は、政府、権力者や国民一人ひとりが考えや意見の違いを認めつつも協調できる「信頼」がキーとなります。
 今一番必要なのは、いくら政府や権力者が望まなくても、技術革命によってデジタル民主主義&公益社会を築くことです。
 すべての人たちに開かれた透明性のある隠し事のない信頼できる社会が重要なのです。
 その上で一人ひとりは自分の責任ある姿勢が求められます。
 ワクチンの開発技術が抜本的に変わったように仕事の仕方や会社組織も大きく変わり、流動性の高い組織や社会になるのです。
 私たちの仕事は、それぞれが持つ能力で分業によって役割分担を行ってきました。
 働き方でもリモートワークが始まり、ますます、自分の仕事の役割分担を高めるワークエンゲージメントが重要になって来ました。

 日本ではメンバーシップ型雇用によって滅私奉公で勤勉に勤める代償に終身雇用の安定した生活が保障されてきました。
 しかし、今や、多くの組織は目標に向かって変化が求められます。
 アイディアやAI活用には仕事の仕方や組合せが重要になります。
 例えば、コーディネーターとしての中間管理職はAI分業コーディネーターが取って代わるような劇的な変化が予想されます。
 AI分業コーディネーターは仕事内容と能力や時間によってAIワーカーとしての社員、Jobワーカーやギグワーカーをクラウドソーシングなどに求めて仕事を適切なグループで遂行出来るように采配する役割が重要になります。
 つまり、働き方は流動性の高い組織や社会でJob能力が求められることになるのです。
 一人ひとりは常にUpgradeして役割を果たす能力を身につけている必要があります。
 デジタル民主主義&公益社会では一人ひとりが自立をしてない群衆ではなく自律的な意欲を持って自分の役割を果たすことになります(ワークエンゲージメント)。
 私が、今、教えを請いたいのは棋士・藤井聡太二冠と台湾のオードリー・タンIT担当大臣です。
 二人からは人智とAI智をどのように使い分けるかを学びたいのです。

「天命起臥之道」に生きる
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