文化講座
「新考える葦・New-Thinking Reed」となろう-19 新型コロナウイルスの世界的大流行
新型コロナウイルス(新型コロナ、COVID-19)がパンデミック(Pandemic・世界的大流行)な脅威を与えています。
世界の感染者が200万人を超え、死者は20万人に近づく勢いで増しています(2020年4月21日時点)。
日本でも大都市圏を中心に急速に感染者数が増加しています。
世界中が緊急事態なのです。
医療の緊急対応能力の問題が明らかになりました。
未知の新型コロナははっきりした治療法がなくインフルエンザ以上に早期診断によって隔離することが第一となります。
世界的にはドイツが早期検査によって感染者を把握した為に主要国で感染者数は多くなっても死亡率がおよそ1%ぐらいで際立って低いのです。
イタリアは10%以上、日本は逆に感染者数は少ないが死亡率は3%ほどとなっています。
初期対応が甘かったアメリカの感染者数は世界一ですが、死亡率は2%ぐらいとなって今は対応能力が次第に増してます。
新型コロナ検査時間は数時間から数日かかっていたが、アメリカの会社・アボットが陽性では5分、陰性では13分程度で結果が判るほどに進歩して、早くなっています。
重症者の場合ではニューヨーク市ではセントラル公園に集中治療が出来る臨時病院を設置したり、病院船を動員したりしています。
ロンドンでは4千病床で5百個の人工呼吸器を持つ臨時病院を9日間で完成したと言う。
新型コロナ予防のために、J&J(Johnson & Johnson)は来年初めにはワクチンを10億人に投与しようと生産体制を整えています。
従来の予防ワクチンは鶏卵や細胞を使っており、開発には5年以上が必要でした。
遺伝子技術(ウイルスベクター、mRNA、DNA利用)などを用いた遺伝子ワクチンは1年程度で実際に予防ワクチンとして使用可能になる程に開発速度を短縮させました。
新型コロナ流行で日本が遅れていた教育や働き方でICTやAI情報端末を用いた学校や会社に行かなくても在宅や遠隔地でも可能となる社会が促進されることになるでしょう。
日本が遅れているデジタル化や生産性の悪さを改善するチャンスです。
感染症で接触感染を防げば伝染予防となりますが、非接触型(タッチレス)の機能を持つ新型情報端末の開発が促進されています。
マスクをしていても顔認証が可能となり、コンビニなどでもタッチレスで買物が出来るようになるのです。
経済的には第2次世界大戦以来の経済危機が起こりそうです。
國際的な共同、協力、協調がますます重要な時代となっています。
アメリカのJ&Jが40日ほどで治験用ワクチンを開発できたのは中国の科学者が本年の1月に公開した新型コロナの遺伝子情報を利用できたからなのです。
科学者レベルでは政治、経済、国民や国民的な対立を乗り越えて可能となりました。
J&Jはワクチンをアメリカのみならず中国も含めた世界各国へ供給するとしています。
地球レベルの国家的な違いを乗り越えた協力・協働が多くの人達の命を救うのです。