愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

「天命起臥之道」に生きる

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

「新考える葦・New‐Thinking Reed」となろう-33 デジタル民主主義&公益社会―7

 「デジタル改革関連法案」が成立して、日本も遅ればせながら、今回こそ本当にデジタル社会を築けるかが問われます。
 今日的な日本の課題は次のようです。
 ・縦割り規制・官民序列と男女差別や格差
 ・官民なれ合い
 まじめな日本人が自然と共鳴しながら育んできた間合い、忖度文化ともなっています。

 我が国のDX(デジタルトランスフォーメーション)にとって最大の問題は国家体制(省庁など)、会社組織、社会が"構築"されている「縦割り構造」を壊すことが出来るかが問われているのです。
 毎日、マスコミでも問題となっているDXは、ただ単に効率化、生産性を上げるためだけにあるのではありません。
 目指すのは人間社会を如何に築き、人々が社会的、個人的にもWellbeingな生き方が出来るかを問うているのです。
 人間だけではなく、すべての生き物や地球環境とも共鳴しながら発展させることも忘れてはいけません。
 自分の身の回り、例えば、省庁や会社で言えば、部長、課長などと机を序列に従って並べているのは当然と思うような部局発想の縦割り構造が問題となります。
 「縦」「横」が自由に行き交うような思考・行動ができる組織構造になっていなければなりません。
 最近出版された話題の『DXの思考法 日本経済復活への最強戦略』(西山圭太著)では「DXに取り組むには、各企業の在り方、組織の在り方そのものの見直しに結び付けて取り組む必要がある」としています。
 私は今回のデジタル改革関連法案によって我が国の国家体制や社会の基本となっている官僚、省庁を中心とする「縦割り構造をどう打開するか」がまず問題だと思います。
 国家、会社組織、社会構造が西山は「組織の壁を乗り越えてオープンイノベーションを起こす能力が必要」だとしています。
 日本社会や企業が得意としてやってきた「野球スタイル」からDX化によって「サッカースタイル」に転換できるかと判り易く説明しています。
 つまりは、「縦横無尽」に動き回れるような「サッカースタイル」で思考、行動が出来る個人や組織構造に転換できるかが問われているのです。

 「サッカースタイル」の思考、行動が上下関係の階属制体制を脱して自由で縦横無尽体制になれるかは一人ひとりが自由意志を発揮する「デジタル民主主義&公益社会」が必須条件となります。
 Z世代の坂口くり果(15歳)が「子どもの権利条約を母子手帳に載せて」と32年前に国連で採決されている「子どもの権利条約」を知って社会問題に目覚めた活動をしているのは喜ばしい限りです。
 また、宇沢弘文が言うような「公益社会」によって「誰一人も取り残さない」社会を築いて「DXが人間や自然社会」を高められるのです。

「天命起臥之道」に生きる
このページの一番上へ