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インターネット公開文化講座

文化講座

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「天命起臥之道」に生きる

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

「新考える葦・New-Thinking Reed」となろう-13

 前回「資本主義の終わりか、人間の終焉か?未来への大分岐」(斎藤幸平編、集英社新書)について紹介しました。
 民主的に共有されて管理される〈コモン〉から出発する国家や権力者には統制されないような社会の重要性、資本主義が崩壊する可能性があり社会的協働的経済への変換が起こる可能性があります。
 ピラミッド型の上下関係のない水平的なネットワークによる情報の民主化や透明性ある社会が重要になると指摘しています。

 そうした時代にあって、気候変動・危機に15歳でたった一人で立ち向かったスウェーデングレタ・トゥンベリさん(現在16歳)「気候変動のための学校ストライキ」と記したプラカードを掲げて学校を休んで国会議事堂の前に一人で座り込んだのです。
 そのグレタさんの活動が発展した「未来のための金曜日・Fridays for Future, #FridaysForFuture」「未来へ今こそ行動を」と本年の9月23日のニューヨークで開催された国連気候行動サミットで国連の事務総長と共に主役者でした。
 グテーレス国連事務総長「77か国が2050年に温暖化ガスの排出を実質ゼロにする」と言う「気候行動」をするためのサミットで訴えました。
 グレタさんは若者代表として演説して首脳たちに次のように指摘しました。
 「あなたたちは空っぽの言葉で、私の夢と子供時代を奪い去った。でも私は運が良い方だ。」
 「人々は苦しみ、死にかけ、生態系全体が崩壊しかけている。私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのはお金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ。何と言うことだ」国連の「気候行動サミット」で首脳たちに訴えました。
 私たち大人は16歳の少女の言葉に恥ずかしい!
 直前の金曜日の20日にはグレタさんも加わってニューヨークでデモを実施しました。
 欧米、アジア、日本も含めて150か国以上の世界都市でおよそ400万人の若い人たちが中心になって金曜日の「気候ストライキ」が広がりました。

 すべての子供の教育を訴えるマララ・ユスフザイさん17歳でノーベル平和賞を受賞しましたが、グレタ・トゥンベリさんは16歳で本年のノーベル平和賞を70歳の国連事務総長のアントニオ・グテーレスさんと共に受賞されることを心から願っています。
 「民主的で水平的なネットワーク」である10代の若者は「考える葦」だ!!

「天命起臥之道」に生きる
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