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インターネット公開文化講座

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「天命起臥之道」に生きる

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

「新考える葦・New‐Thinking Reed」となろう-26 若者・Z世代への期待―5:デジタル化とコロナ禍&気候危機

 新型コロナウイルス・COVID-19のパンデミックは気候危機と無関係ではありません。
 COVID-19はコウモリが媒介したと考えられていますが、温暖化で「人と脊椎動物のどちらにも罹る人獣共通感染」が危ぶまれ、指摘されているのです。
 今回のコロナ禍「パンデミック」とはマルクス・ガブリエルがその著書『全体主義の克服』で言っている意味の「パン・デミック」となります。
 「パン・デミック」とは古代ギリシャ語から来ている「全(パン)・民衆(デミック)」を意味するのです。
 気候危機は、まさに、「全民衆」を意味する「パンデミック」となります。
 Z世代、続くα世代、さらにこれから生まれて来る若者も含めて全ての人たちがモロに直面するのは気候危機なのです。
 つまり、気候危機によるパンデミックはコロナ禍によるパンデミックとは比較にならない人類全体に壊滅的な危機になります。
 人類のみならず地球環境の危機なのです。
 コロナ禍で、我が国のみならず世界中で実行されたことは、ロックダウンと言われる外出禁止、一人ひとりの移動の自由、今までの会話や飲食の自由、学校の教育、体育館や運動場での運動の自由なども奪われました。
 日本では導入が遅れているオンライン(online)のバーチャル世界が登場しました
 オンラインワーク、会話や会議、誕生パーティーなどがあちこちでonlineで開催されるようになったのです。
 政府が実行したのはデジタルの役割を国民に普及する努力より、恐ろしいほどの財政負担を伴う企業中心の経済援助です。
 我が国では既に景気刺激策として財政支出に加えて安倍政権が8年以上も日銀による積極的な金利ゼロや株買いによって実体経済とは異なった見かけの株価を保ってきました。
 以上のような財政援助がITの進歩、AIやDXを積極的に日本社会に導入して普及する刺激策より、退出した方が良いような古い体質を温存することにもなりました。
 既に、デジタル化の普及は韓国や台湾などに遅れて今や先進7国ではシンガリを競うほどの後進国となって来ました。
 しかし、AIやDXによる単一化によって他の切り捨てが起こる可能性があります。
 多様性や非効率にも大切な意味も含まれています。
 人間味や人間でなければならないことは何かを考えなければなりません。
 また、どのようにデジタル化するかによって前述のガブリエルが指摘するように私たちが知らない間に「デジタル全体主義国家」となってしまいます。

 デジタル技術を用いたAI、DX化社会を含めた我が国の将来をどのような国にするかは若者たち世代が考えなければなりません。
 現在の高齢者のために負担している健康保険や社会保障費などと比較にならない巨額の借金を既に若者たちに押し付けているのです。
 一人ひとりが知らない間「デジタル全体主義」に組み込まれない自由で公益性がある「民主主義」に最大限の努力が必要です。
 若者たちは自分たちの時代のためにスウェーデンの15歳の時に一人で活動を始めた現在17歳のグレタ・E・トゥ-ンベリのように発言、行動する必要がある切迫した状況にあります。
 Z世代や続く若者でなければ未来の危機対応に加えてデジタル化社会や巨額の財政負担をどうするかに責任を持てないのです。
 「デジタル民主主義社会」を築くのです。

「天命起臥之道」に生きる
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