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知って得する鉄道旅行術

鉄道ライター/安城学園高校教諭
山盛 洋介

北海道を鉄道で旅する(2)

前回は、北海道を鉄道で旅する魅力をご紹介させていただきましたが、今回は、実践編として、旅するコツをいくつかご紹介しようと思います。

北海道を縦横無尽に旅しようと思うと、どうしてもお財布の中身が気になってしまいますが、そんな方々に朗報です。北海道内のJR線が乗り放題になるきっぷが発売されています。

●「北海道フリーパス」
JR北海道全線が7日間乗り放題になるきっぷで、道内の特急列車(自由席)にも乗れます。普通車用(23,400円)とグリーン車用(34,500円)があり、普通車用は普通車指定席も6回まで利用可、グリーン車用はグリーン車指定席またはB寝台車も6回まで利用可になります。

普通車用で考えると、7日間フルに使うとして、1日あたり3,000円あまりで道内が乗り放題になるわけですから、かなりお得だといえそうです。たとえば、札幌から釧路まで特急指定席で往復するだけでも普通運賃・料金が18,240円(通常期)ですから、使い方によってはかなりお得になります。私も、学生時代にはこのきっぷで15万円分以上乗ったこともあります。

グリーン車用は、札幌〜釧路間を走る特急「まりも」のB寝台も使えます。通常、寝台料金は1回6,300円(シーズンオフは3,000円)で、それ以外に特急料金がかかることも考えれば、有効期間中、6連泊すればそれだけでもモトが取れてしまいます。そのように宿代も浮かせている猛者もいるとかいないとか。

とにかく、「乗り放題」で「気ままに旅ができる」のが最大の魅力です。朝の札幌駅で、各方面の発車案内板を見比べながら「今日はどこに行こうかな」と悩む、なんていうのもある意味で贅沢な旅なのかもしれません。

なお、このきっぷ、あくまでも道内のみのものですので、北海道まで(から)の交通費は別途かかります。また、JR東海の窓口では発売していませんので、JR東日本・JR北海道などの窓口でお買い求めください。

札幌〜釧路間を結ぶ夜行寝台特急「まりも」

●「ぐるり北海道フリーきっぷ」
JR北海道全線乗り放題に、首都圏からの新幹線・特急指定席または寝台特急「北斗星」B寝台での往復がセットになったきっぷです。東京都区内発着で35,700円(夏季45,200円)、往復の行程も含めて5日間有効です。道内では特急指定席に乗り降り自由です。

有効期間が短いので、道内をぐるぐる、というわけにはいきませんが、その安さが魅力です。東京都区内から札幌まで、寝台特急「北斗星」のB寝台で往復すると通常47,900円、新幹線と特急の乗り継ぎで往復すると46,940円ですから、これだけでもうモトが取れています。もちろん、道内を周遊すればもっとお得度は増すわけで、これも「おいしい」きっぷといえそうです。

このきっぷもJR東日本でしか発売していませんので、東京まで(から)の交通費は別途必要ですが、それを差し引いても安いきっぷといえそうです。

東京から北海道をめざす寝台特急「北斗星」

なお、これらのきっぷは、盆・年末年始・GWの多客期には使えませんのでご注意ください。また、このほかにもきっぷ使用上の制約がありますので、詳細は、JR北海道(http://www.jrhokkaido.co.jp/)・JR東日本(http://www.jreast.co.jp/)の公式サイトをご参照ください。

※いずれも、きっぷの内容は 2007年8月現在のものです。
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