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知って得する鉄道旅行術

鉄道ライター/安城学園高校教諭
山盛 洋介

第23回 「北陸観光フリーきっぷ」で出かけよう

学校も夏休みになりました。夏の旅を計画されている方も多いことと思います。この夏、鉄道の旅にチャレンジされる皆さん、北陸をめざしてみるのはいかがでしょうか。北陸への鉄道旅行に打ってつけのフリーきっぷが発売されています。「北陸観光フリーきっぷ」がそれで、使い方によっては極めて安くなるシロモノです。今回は、このきっぷを有効に利用した旅を検討してみましょう。
(ここに掲載されている情報は、2008年7月現在のものです。念のため、最寄りの駅などでご確認ください)

1.「北陸観光フリーきっぷ」とは

今年の夏・秋の限定で発売される、北陸3県(福井・石川・富山)への格安きっぷです。フリー区間(北陸本線敦賀~黒部間・越美北線・七尾線・城端線・氷見線・高山本線猪谷~富山間)の中は特急・急行・快速・普通列車の普通車自由席に乗り降り自由。フリー区間までの往復には、特急「しらさぎ」「ひだ」の普通車指定席を利用でき、4日間有効で、名古屋市内発15,000円(小児は半額)です。
このきっぷは、往路に特急「しらさぎ」(北陸本線経由)を利用した場合は復路に特急「ひだ」(高山本線経由)を、往路に特急「ひだ」(高山本線経由)を利用した場合は復路に特急「しらさぎ」(北陸本線経由)を利用しなくてはなりません。つまり、往路と復路で経路を変えなくてはならない、ということです。
なお、高山本線の下呂・高山・飛騨古川でも途中下車ができ、途中下車したのちに乗車する特急「ひだ」でも、普通車指定席の利用が可能です。また、名古屋~米原間においては、東海道新幹線「ひかり」「こだま」普通車自由席も利用できます。

北陸観光フリーきっぷのフリー区間

このきっぷは、期間限定の発売となっており、11月27日(木)までが発売期間、11月30日(日)までが利用期間です。また、8月11日(月)から20日(水)までは利用できません。

2.「北陸観光フリーきっぷ」は安いのか

富山まで往復することを考えてみます。
行きは名古屋から米原まで新幹線自由席、米原から富山まで「しらさぎ」指定席、帰りは「ひだ」指定席、という乗り継ぎの場合、次のようになります。

乗車券 名古屋市内→名古屋市内 9,030円
(新幹線・北陸・高山・東海道線経由)
特急券
(普通車自由席)
名古屋→米原 1,680円
特急券
(普通車指定席)
米原→富山 1,510円
(乗継割引適用)
特急券
(普通車指定席)
富山→名古屋 3,020円
合計  15,240円 ※繁忙期の場合

このように、夏休みの繁忙期の場合、富山まで「しらさぎ」と「ひだ」で行って帰ってくるだけで、ほぼモトが取れてしまいます。この値段で、さらに北陸地方が乗り放題となるわけですから、かなりコストパフォーマンスは高いとみて良いでしょう。

特急「しらさぎ」でスピーディーに北陸へ

氷見線のローカル列車に揺られてのんびり旅するのもいい

3.たとえばこんな旅はいかがでしょう

名古屋から3泊4日の行程で、北陸の鉄道の旅を満喫するプランを組んでみました。

<1日目>
名古屋→(新幹線)→米原→(しらさぎ)→福井→(越美北線)→九頭竜湖→(越美北線)→福井→(しらさぎorサンダーバード)→金沢 (泊)

<2日目>
市内観光後...金沢→(サンダーバード)→和倉温泉 (泊)

<3日目>
和倉温泉→(七尾線)→津幡→(北陸本線)→高岡→(城端線)→城端→(城端線)→高岡→(氷見線)→氷見(夕食)→(氷見線)→高岡→(北陸本線)→富山 (泊)

<4日目>
富山→(ひだ)→高山(市内観光)→(ひだ)→名古屋

金沢・和倉温泉・富山で3泊しながら、北陸のローカル線4線区に乗り、その旅情を味わいます。帰途には高山で途中下車をして飛騨路の風情も楽しんでしまうという欲張りな旅です。3日目の行程をもっとコンパクトにして、その日のうちに高山まで入っておいて宿泊し、翌日、高山市内をゆっくり回るというのも良いでしょう。泊まりを下呂温泉にして、最後の夜をのんびり過ごすのも手ですね。

高山で途中下車できるのもこのきっぷの魅力

広い北陸。一度の旅で味わいつくすのは難しいですが、ぜひ行ってみたいところを思案しつつ、「北陸観光フリーきっぷ」で欲張りに楽しんでみる。この夏、いかがですか。

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