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知って得する鉄道旅行術

鉄道ライター/安城学園高校教諭
山盛 洋介

みんなで行けばお得?! JR東海のフリーきっぷ

近年、JR東海が発売しているフリーきっぷに、複数人で利用したほうが安くなるという形態のものが発売されています。1人でも利用できますが、どちらかというとグループ旅行におすすめのきっぷです。

1.飛騨路フリーきっぷ

温泉や歴史のロマンが香る飛騨路へ、列車で旅をしたいと思う方は多いのではないでしょうか。
この「飛騨路フリーきっぷ」は、名古屋から特急「ひだ」普通車指定席で往復でき、フリー区間内(下呂~飛騨古川間)は特急・普通列車の普通車自由席に乗り放題になる、というきっぷです。

このきっぷには、2つの「コース」が設定されています。
1つは「レール&タクシーコース」。各グループに6,000円分のタクシー乗車券(下呂・高山・飛騨古川で使用可。利用会社の指定あり)がついています。 3日間有効で、1人用は11,800円ですが、2人用17,800円(1人あたり8,900円)、3人用22,800円(1人あたり7,600円)、4人 用25,800円(1人あたり6,450円)と、利用人数が多くなるほど割安になります。
もう1つは「レール&奥飛騨バスコース」。こちらも3日間有効で、JRの乗り放題のほか、高山駅前~平湯温泉~新穂高温泉間の濃飛バスに乗り放題になりま す。1人用は11,800円、2人用17,800円(1人あたり8,900円)、3人用23,800円(1人あたり約7,933円)、4人用29,800 円(1人あたり7,450円)で、利用人数が多いほどこちらもお得です。
いずれのコースも、最繁忙期(年末年始・GW・盆)には利用できなくなるので、ご注意ください。

名古屋から高山まで、「ひだ」指定席で往復すると、通常11,740円。仮に1人用を利用したとしても両コースともあと60円分、タクシーやバスに乗ればモトが取れますので、その安さが実感できますね。
特に、奥飛騨温泉郷へ入られる方は、濃飛バスの通常運賃が比較的割高ですので、「レール&奥飛騨バスコース」の利用がおすすめです。
また、このきっぷを呈示すると、沿線の観光施設などで割引が受けられるというサービスもあります。3日間、フルに利用して、飛騨の魅力を発見したくなるようなきっぷですね。

いつも観光客で賑わう高山・上三之町

2.伊勢路フリーきっぷ

いよいよ春本番。やはり暖かいところを旅したいと思う季節ですね。
「伊勢路フリーきっぷ」は、名古屋から快速「みえ」普通車自由席で往復でき、フリー区間内(松阪~鳥羽間)は快速・普通列車の普通車自由席に乗り放題となるきっぷです。

こ のJRのきっぷのほか、1グループに1冊、6,000円分のタクシー券(松阪・多気・伊勢市・二見浦・鳥羽で利用可。利用会社の制限あり)がついていま す。このタクシー券は、6,000円分のうち2,000円分を伊勢市の「おかげ横丁」での買い物や食事に使える金券として利用できます。3日間有効で、1 人用は7,500円、2人用9,500円(1人あたり4,750円)、3人用11,500円(1人あたり約3,833円)、4人用13,500円(1人あ たり3,375円)です。

名古屋~鳥羽間の通常往復運賃が4,760円ですから、2人以上で鳥 羽まで往復するなら、6,000円分のクーポンを全く使わなくてもこのきっぷのほうがお得という計算になります。1人で利用しても、クーポンを2,741 円以上使えば、こちらのほうがお得になる計算です。タクシーを1回近場で利用し、2,000円程度の食事を取ればOK、というイメージですね。
なお、こちらも最繁忙期には利用できません。

おかげ横丁を行き交う人々

これらのきっぷは、まさに知る人ぞ知る、というものですが、知る人だけが得をする、という性格のものですから、駅で自ら買い求めないとその恩恵に浴すことができないわけです。駅に置いてあるチラシやポスターなどを熟読して、楽しい列車の旅をお得に楽しみたいものですね。

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