愛知県共済

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組合のあゆみ

社会環境の変化への適応

関係法規の変更、制定

≪消費生活協同組合法≫
 組合は、消費生活協同組合法にもとづき事業を運営しています。
 この消費生活協同組合法は、昭和23年に制定された法律で、制定されて以降、実質的な見直しが行われないまま、60年近くが経過しました。
 しかし、この間、共済事業に係る契約件数・契約高は著しく増加し、消費者の生活に大きな影響を与えるようになってきました。
 共済事業は金融事業であり、万一破綻した場合に契約者に与える影響が大きいことから、平成20年4月1日に、契約者保護の観点から、生協の特質をふまえたうえで、他の協同組合法における規定の整備状況を参考に、次のとおり、消費生活協同組合法の見直しが行われました。
1.最低必要とする出資金額の基準が設定されました。
2.共済事業と他の事業を兼業することができないことになりました。また、十分な支払余力を確保することが義務付けられました。
3.経営情報の開示が義務付けられました。
4.契約締結時の契約者保護の観点から、共済を推進する者が、推進を行ううえで、行ってはならない行為について規定されました。
5.契約条件の変更(掛金料率の引上げなど)や包括移転を行うことができるようになりました。
6.保険会社の業務を代理することができる保険代理制度の導入などが規定されました。
7.組合員の教育事業への繰越義務に、子育て支援活動などの福祉活動を助成する事業への、剰余金の繰越義務が追加されました。
8.組合内部において、効率的で健全な経営ができるシステムを強化することや、一定範囲内での行政庁の関与などが規定されました。
 共済事業は、組合の業務の健全かつ適切な運営および共済募集の公正を確保することにより、契約者の保護を図り、組合員の生活の安定および経済の発展の一助となり、さらに、公的保障を補完する役割を果たしています。
 そこで、組合員のニーズに応えることができる「商品の開発」「掛金の設定」および「契約者への適切な情報提供」が行われることが重要となるため、業務上の規制を消費生活協同組合法に照らして見直し、さらに組合のコンプライアンスを徹底していくために、共済募集・保険代理などに係る規定の整備や見直しを行いました。

≪保険法≫
 「保険契約」に関する基本的な規律は、明治時代に制定された「商法」の中に規定されていましたが、平成22年4月1日、約100年ぶりに次のとおり見直されました。
1.「商法」から独立した「保険法」として新たに制定されました。
2.「共済契約」も対象に含められました。
3.傷害疾病保険に関する規定が設けられました。
4.保険契約者などの保護を図る観点から、告知制度に関する規定が見直されました。
5.保険金の支払時期に関する規定が設けられました。
 以上のことから、組合は、「保険法」に照らして、規定の整備や見直しを行いました。

≪社会保障・税番号制度≫
 「行政の効率化」「国民の利便性の向上」「公平・公正な社会の実現」を目的とした国民生活を支える社会的基盤として、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)が導入され、組合が一定以上の共済金を支払った場合は、税務署に提出する支払調書に共済契約者及び共済金受取人のマイナンバーを記載することが義務付けられました。

共済事業

 組合は、高齢者の増加、核家族化など家族形態の変化に対応するため、平成16年に、ライフ共済の新規加入年齢を69歳まで引き上げるとともに保障の終期を80歳まで延長して以来、65歳以上の加入人数は倍増し、高齢者の安心を支えるしくみとして、広く定着してきました。
 一方、少子化が進展する中、平成19年から平成21年にかけて、いわゆる団塊の世代が60歳以上に達し、保障の終期などの保障の質の向上を求める声が高まってきたことから、保障の終期を見直し、85歳まで延長しました。
 このことにより、平成23年における「65~75歳」の加入人数は増加し、危険の分散を図ることができるようになったため、「65~75歳」の保障を見直し、病気やけがによる入院保障を増額しました。
 総務省統計局の発表によると、高齢者が、人口、総人口に占める割合共に過去最高となりました。
 さらに、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この傾向は今後も続き、2035年には、3人に1人が高齢者になると見込まれています。
 このような状況の中で、70歳以上の高齢者からのライフ共済新規加入年齢の引き上げを望む声が多いことから、組合では平成28年、新規加入年齢を69歳から74歳まで引き上げました。
 さらに、ライフ共済では、共済のしくみを、長期間にわたり維持するためには、年齢階級毎の共済事業の健全性・安定性を存続させる必要があり、加入人数を増やす必要があります。
 そこで、「0~30歳」の加入人数の減少傾向および年齢階級毎に生じる加入者間の不公平を是正するために、「0~30歳」の保障を見直し、入院、手術の保障を増額しました。
 組合は、共済契約に基づいて共済金の支払義務を負いますが、特定の事項により共済事故が発生した場合については、共済金の支払義務を負わないことを規約上規定しています。
 また、組合は、生命共済事業(または交通災害保障共済事業)において、個々の契約の危険度を判断し、適切な契約の選択を行うために、被共済者の健康状態等必要な情報を正確に知る必要があり、告知内容の確認を行っています。
 そこで、最近の社会情勢の変化を勘案し、共済者の免責に関する規定及び共済契約締結に際しての告知を、組合員に理解しやすい表記に変更することを目的として、平成29年に生命共済事業規約及び交通災害保障共済事業規約並びに火災共済事業規約の一部を改正しました。
 ところで、海上保安庁が、南海トラフの想定震源域において、広範囲にわたりプレート境界の「ひずみ」の蓄積状況を推定し、愛知県でも、南海トラフで繰り返し発生する大規模な地震が、県に与える影響は極めて大きいと、その被害予測の調査を行っています。
 平成28年4月に発生した熊本地震では、県内の住宅の全半壊が、3万棟を越え、当初想定していた4倍近くになったと発表されました。
 組合は、愛知県以外に事業を拡大することができないことから、愛知県内で、大規模な地震が発生した場合には、他の地域との組み合わせにより、リスクの分散を図ることができません。
 そこで、組合では、地震の見舞金に対して、保険会社と提携を開始しました。

各種取扱保険

≪個人賠償責任補償≫
 歩行者と自転車による交通事故の件数については増加の傾向にあり、自転車側に対して、高額な損害賠償事例も見られる状況にあるなど、自転車の安全な利用への対策が喫緊の課題となっています。
 こうした状況をふまえ、自転車の交通安全対策の強化を図るため、一部自治体では、自転車の安全で適正な利用に関する条例が制定され、この動きが他の自治体に広がっています。
 そこで、組合では、平成28年に東京海上日動の個人賠償責任補償の取扱を開始しました。

≪トータルアシスト住まいの保険≫

 地球の平均気温は上昇傾向にあり、各地で「これまで経験したことのないような集中豪雨」が発生しています。一方、南海トラフでは、約100~200年の間隔で大地震が発生し、想定・震源域におけるプレート境界の「ひずみ」の蓄積状況から、次の大地震発生の可能性が高まってきています。
 そこで、地球温暖化に伴い大切な住まいを守るために発生する「大型台風・大雨、集中豪雨」や、南海トラフで繰り返し発生する「大規模な地震」などからのリスクに備えるために、組合は東京海上日動の「トータルアシスト住まいの保険」の取扱を開始しました。

火災共済事業の共済商品の名称の設定および組合ロゴマークの策定

 組合が行う火災共済事業の共済商品の名称については、昭和42年に事業を開始して以来、共済事業の種類の名称をそのまま用い「火災共済」としてきました。
 しかし、「火災共済」では組合の共済商品であることを特定することができないことから、その愛称を「ホーム火災共済」と設定しました。
 また、組合は、組合の存在価値を体系的に整理し、それにもとづく行動指針を組合内外で共有するために、新しい組合ロゴマークを策定しました。

携帯電話・スマートフォンの活用

 電話の加入契約数は、固定電話が減少傾向にある一方、携帯電話の利用者は堅調な伸びを示し、携帯電話がさまざまな分野で可能性を持つ端末へと大きく変化し始める中で、携帯サイトの利用者も急増してきました。
 携帯サイトの利用者は若年層で高く、年齢が上昇するとともに低くなるため、組合では平成21年、中高年以上の層にも目的の情報に迷うことなく到達できるように、操作性を向上させるように工夫をしました。また、各共済制度の「資料請求」を開始するとともに、共済契約者の利便性を高めるために「組合員サービスの申込み」を可能にし、各種手続きのご案内やQ&Aを網羅するなど、充実した内容としました。
 ところで、スマートフォンは、「地図の現在地の表示」、「デジカメの代用」などの特長があり、その利用率は拡大の一途をたどっており、今後ますますこの傾向は大きくなると思われます。 そこで、組合では平成28年、スマートフォンによる「組合員サービスの情報提供」はもとより、「興味・関心に合った最新の情報(ライフプラス)」の配信を開始しました。
 とりわけ、共済についての「安心で快適な生活」、「共済のしくみ」、「共済の選び方」などのマンガ化は、文字だけでは表現できない具体的なイメージを提起するとともに、親近感を抱き読みやすくする効果が期待できます。

組合を取り巻く環境変化

 リーマン・ショックに端を発した世界的な経済危機以降、各国・地域は、金融市場が危機的状況におちいれば、その影響が世界中に及ぶため、相互の協調体制の必要性を認識しています。
 こうした状況の中、各国・地域は、持続可能で均衡のとれた経済成長のために、不均衡の是正、保護主義の抑止や自由貿易の促進などに向けた自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)に向けた動きを加速し、特定の国の間における協力の在り方を模索しています。
 特に、アジア太平洋地域では、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)をめぐっての協議が始まっています。
 TPPは、加盟国の間で工業品、農業品を含む全品目の関税および知的財産権、労働規制、金融、医療サービスなどのすべての非関税障壁を撤廃し、多岐な分野にわたる貿易の自由化を目指しており、平成27年10月5日、米国アトランタにおいて、参加12カ国の間で大筋の合意をしました。
 一方、TPPの他にも、金融、電気通信、流通などモノ以外のすべての貿易を対象とするTiSA(新サービス貿易協定)による交渉も進んでおり、グローバル化が急速に進展しています。 当然のことながら、共済事業に対しても大きな影響が及ぶ可能性があります。
 そこで、組合では、今後、共済事業運営に、どのような対応の方向性があるのかを分析することが重要になってきました。

説明会の実施

 日本では大多数の人が何らかの共済(または保険)に加入するとともに、共済に対して多額の掛金(または保険料)を支払っています。
 それにも関わらず、自分が加入している共済について、「どんなときに」「いくらの」「いつまでの」保障があるのかなど、十分な理解がないまま、加入している場合が多くあります。
 そこで、共済を理解してもらうために、「共済とは何か?」「何のために共済に加入するのか?」「どんなときにどんな保障が必要になるのか?」「共済の選び方は?」などについて、問題を提起し、わかりやすく解説するために、地域における説明会の実施を開始しました。
 このことにより、時代の動向に対応するために、皆さまから得られたさまざまな意見・要望をしっかり受け止め、経営に反映させることができるといった効果が期待できます。

会館、事務所の修繕

 組合の所有する本部会館は平成元年に竣工されて以降、25年近くが経過し、この間、利用者の要請は大きく変化するとともに、会館内部に生じる「はがれ」「ひび割れ」などの傷や汚れ、さらには職員数の増加にともなう事務所の狭小化が進んできました。
 そこで、組合は、来館される全ての人が事務所を快適に利用できるように、本部会館をはじめとする県下各事務所会館の用途の水準にあった適切な管理・保全に努めました。