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文化講座

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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

スマートフォンとメモ用紙

2月と3月が逆になったような陽気の春の始まりでした。気温が上がらず桜の開花も予想がつきにくい日々も過ぎようやく華やかな季節になってきました。花撮影に毎日忙しく過ごしてみえるのではないでしょうか?4月5月は筆者も花の開花に追われ出かけることが多い日々です。


名古屋市内・白鳥庭園

名古屋市内・荒子川公園

先日プリンター用のコピー用紙を買いに行ったらこのご時世だからか値段がいっきに跳ね上がっているのでびっくりしました。紙の種類も以前使っていた厚めのものは置いてなく仕方なく少し薄いペーパーを購入しました。ペーパーレスが進んで購入量が減ったせいもあるのでしょうね。100円均一のお店でもB5ノート3~5冊でパックされていたものも見かけなくなりました。メモ用紙がわりによく使っていたのでちょっと寂しい思いです。


桑名市・九華公園

桑名市・九華公園

スマホで検索してそのままメモ欄に残しておくことは便利なのでよく使うのですが、なぜかスマホを開いてメモの検索をかけることはあまりしないのでデーターばかりが増えていく感じの日常です。Z世代の若い人たちがどうメモデーターを活用しているのか聞いてみたい気がします。昭和世代は、紙に書いて頭の中を一旦整理してそこから自分に必要な項目に分けていく作業工程で育ってきました。頭の中の情報整理を手書きで書くことで必要なものだけを残して記憶として覚えるようにしていました。文字情報の記録と記憶、なんとなく写真の世界と似ているような気がします。

フィルムで撮影後プリントして確認や思い出を振り返る方式から撮影データーをパソコンやスマホのデーター保存場所に残して終了。便利なのですが記憶に残りにくいような気がするのは歳のせいでしょうか?


名古屋市内・名古屋城

名古屋市内・名古屋城

最近聞いた話ではZ世代の若い人たちにも人気が出てきたフィルムカメラですが、お店でフィルム現像はするがプリントはしないでデーター変換だけで済ますことで完結する人が多いそうです。現像されたフィルムの現物は破棄してしまうことも増えているみたいです。私たちの世代では考えられないことが今の時代では当たり前になっています。フィルムで写真を撮ってデータに変換してそれをSNS上で掲載(発表)して終了。なんとも忙しい時代ですね。

思い出も兼ねた大量にプリントした写真も興味のない人にはただのゴミかもしれません。せめてお気に入りの写真をフォトブック形式で残しておけば家族の誰かがいつかどこかで見直してくれるかもしれません。今はオンデマンド形式で簡単に一冊から写真集のようなフォトブックが簡単に作れますので皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?本棚に置いておけば次の世代の誰かがそれをみてくれるかもしれませんよ。写真集を作る意識を持てばテーマを考える意識が働き写真を組む楽しさがわかるはずです。それがメモのような写真から記憶に残る写真にする第一歩だと思います。いつも言うように誰かに見てもらうことを意識して撮影することで物語が生まれるはずです。フォトブックを作ることでストーリーを考えながら撮影すれば楽しみが増えます。今までと違う花の姿を見つけることができると思います。

今月の一枚

奈良県桜井市の長谷寺の桜(左)と宇陀市の佛隆寺の千年桜(右)
満開時には多くの観光客が訪れますが一度は訪ねたい桜だと思います。
朝早めに訪れて人の気配がない撮影もいいと思います。3月下旬撮影


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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