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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

写真って楽しい

No.1 気持ちを写す

桜咲くころを迎え新年度で忙しい毎日を送られているのではないでしょうか。

今回から少し趣向を変えて写る写真から写す写真のことを考えていきたいと思います。今の時代のカメラ機材はオート設定にして写せばだいたいよく写ります。デジタルカメラであればすぐにモニターで確認でき間違いなく撮影したものを記録しておけます。シャッターを押し被写体をカメラに収める。でも ここでよくモニターを確認してください。そこに自分が本当に写したいものが、思い通りに写っているかを。

思い通りの写真、そこにはきっとご自分の"気持"が写りこんでいるはずです。
気持が写りこんでいなければその写真は、カメラが物理的に被写体を記録したにすぎないものです。ではなぜそうなるのでしょうか。

今一度、写真を始められたころの画像が残っていればその頃の写真を見直してください。上手くは写っていないものばかりだといわれるかも知れません。
でもよくその写真を見てみるとなにか気持ちをこめてシャッターを押した感触を感じるのではないでしょうか。
カメラを初めて外に持ち出し少し気恥ずかしさを感じながら"なにかいいものはないかな"と一生懸命被写体を探していた気持ちがよみがえってくるのではないでしょうか。 気持ちをこめてシャッターを押す、そのことがとっても大切なことなのですね。そこにはきっと自分の想いが何かのかたちで写っているはずです。ただ、写真の入り口に立ったばかりの方はまだ、絞りやシャッタースピード、ピントのこと、光のことなどわからないことがたくさんありカメラを使いこなすことに夢中にならなければいけないので技術と写したい想いが 上手くシンクロしていません。

技術的なことはカメラの説明書を見ながら繰り返し操作をしていけばやがて解決するでしょう。ちょうど車の運転と同じことだと思います。はじめて車の運転席に座った時、緊張しながらハンドルをにぎって感じたと思います。
"本当にうまくあの道まで運転できるのかな、前に進めることができるのかな?"と。助手席のコーチの言われるままに真剣に操作方法を覚えていったのではないでしょうか。でも今ではスムーズに高速道路でも走っているはずです。
毎日の繰り返しのなかで運転技術も磨かれていきます。

写真撮影も同じだと思います。繰り返しシャッターを押し、上手く写っていなければその原因を探りもう一度シャッターを切る。その繰り返しがやがて人に見せても恥ずかしくない、すばらしいと人から言われる作品につながっていくでしょう。そこから本当に写真ってたのしいなぁと思い始めるはずです。

*想いを閉じ込めるテクニック

光が想いを伝える役目を担っています

みなさんが景色などを見て"わぁーきれいだなぁ"と感激することのなかにはその被写体(景色)に当たっている光線の具合が大きく影響しています。素敵な被写体だ、と感じたらそこに当たっている光をよく観察してください。どう当たっているとよく見えるのかが解るはずです。

その光の方向と自分の気持ちがうまく一致したときにシャッターを押してみてください。きっとその一枚の中に自分のそのときの"気持"が写っているはずです。それを繰り返して撮影していくと自分の好きな光を見つけることが、出来るようになってくるでしょう。
人によってその光が順光だったり逆光気味の光線だったりするかもしれません。それが見つかるといつも自分流の光の中で撮影する楽しさを感じられるようになってくるでしょう。

目の前の光景と光、たったこれだけで写真を写す楽しさが変わってくるでしょう


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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