愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

もうひとつの時間

盛夏をむかえ撮影に出るにもちょっとした勇気と気力が必要な時期になりました。
撮影に夢中はいいんですが、熱中症には充分気を付けてくださいね。

カメラのシャッタースピードはBULB、...1秒、1/2...1/1000、1/4000秒など
超スローシャッタースピードから超高速のシャッタースピードまでたくさんの種類を選んで撮影することが可能です。絞り値との組み合わせでレンズが取り込む光の量を調整する役目があります。またスピードの違いによって動く被写体の写り方も大きく変わってきます。人の目では感じとることが出来ない世界を表現してくれる役目を担っています。

シャッタースピードの違いによる写り方の変化を具体的に確認するには身近にある公園などの噴水で試してみると解りやすいでしょう。このようなシャッタースピードの変化が写真の表現効果をいろいろ楽しめることはご理解できると思います。今回はそのような直接的な時間のこととは別に写された一枚の写真が時間の経過とともに見るときに変化があることを知ってもらいたいと思います。当たり前ですが、写真にはその時写した一瞬が記録されています。ここだと思う瞬間にシャッターを押していると思います。その時の記録が自分の中で思い出に繋がります。記念写真的なもの、作品的に仕上げたものなど方法は違うかもしれません。また写真を趣味にする人としない人では一枚の写真から受け取る見方も変わるでしょう。どんな有名な写真でもその人の見方は違ってきますよね。ある人は写っている人物からその時のファッションを感じ、また違う人は学生時代に習った時代背景を結びつけるかもしれません。このように写した瞬間からその写真は一人歩きを始めます。時間とともに写した作者の考え以上に見る人はいろいろな思いを感じているはずです。

でも名作と言われる写真はいつの時代に移り変わっても作者の伝えたいことが変わらずに一枚の写真に込められているものだと思います。自分の写真の中でこれはいいと思うものを一年後に見返してみて写した時の気持ちが蘇ってくるようであればその一枚があなたにとって価値のある大切な写真だと思います。時々、時間があるときに昔のデーターを見直してみるとその時には気付かなかった名作が見つかるかも知れません。デジタルカメラは、気軽にたくさんの写真を撮ってしまいがちですが、撮るときにしっかりと考えながら被写体と対峙することも大切なことです。瞬間の記録が時間の記録に繋がりある時を経過したときに本当の名作が生まれてくるのではないでしょうか。ファインダーの中の大切な自分の思いを伝えるつもりでシャッターを押すことを心がけましょう。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

デジタル写真の楽しみ方
このページの一番上へ