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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

あまのじゃく

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

毎年のことですが、新春を迎えると同時に今年はどのような写真を撮ろうかなと考えます。去年撮ろうと予定していたものでタイミングが合わず先送りになってしまった場所に今年こそ出かけるぞと目標を立ててみえる方もいるでしょうね。
最近見た写真集や作品展に刺激されてこんな写真を撮ってみたいと考えている方もみえるのではないでしょうか。寒い時期になってきますが、そんな熱が冷めないうちに細かい目標を立てるのも正月の楽しみのひとつだと思います。頭の中だけでなくノートなどに整理しながら記録しておくと良いでしょう。

ある程度カメラなどの扱いに慣れて写真の基礎的なことも理解できてくると少し個性的な自分を表現するものが撮りたくなってくると思います。でもその個性的な写真は?と考えるとどれが正解なのかわからないという声が聞こえてきます。そんな時いつも撮影している自分の姿を思い浮かべてみると良いかもしれません。有名観光地などに出かけてパンフレットなどの写真に近づけて撮ろうとしていませんか?あの写真より条件に恵まれて良い写真が撮れたと満足していないでしょうか?その写真と比べて技術的、条件的にうまくみえる写真でも他人から見れば綺麗な写真だねというところで終わってしまうかもしれません。特に風景写真と呼ばれるジャンルではその可能性が高くなります。タケノコの背くらべのような写真はすぐに忘れ去られてしまいます。写真を撮る人間はどこかに(あまのじゃく)的な気持ちを持った方が個性的な写真にたどり着く近道だと考えてみるのが良いかもしれません。なんとなく他人と同じような写真を撮っていないと写真を認めてもらえない不安から思い切った自分だけの写真に踏み込めなくて悩んでいる方もみえるでしょう。そんな時は基準となる写真なんてないんだと考えてみるのも良いかもしれません。作例写真は自分の技術的力量がそれに近づけたかを知るためのものであって作品とは呼べないものだと思います。作品と位置付ける写真とは、自分がどうしても撮りたい衝動にかられ、それを他人に見せた時その思いがきちんと相手に伝えることができるものだと思います。

何か難しそうな写真を撮らないといけないわけではなく身の回りで感動したものでも十分作品になりうるということです。どう見ているかを大切に考えてそれを技術的なところで表現に昇華していけばきっと他人が見てもその思いは伝わるはずです。今年こそ写真を撮る時だけは(あまのじゃく的)性格になって個性的な写真を目指してみませんか?今回は少し男性寄りに向かって書いてみました。なぜなら女性は本来自分流に写真を撮ることがうまいからです。
写真の芥川賞と呼ばれている(木村伊兵衛写真賞)では今年の最終ノミネートに残った写真家6名全員が女性だったということです。もちろんよく聞くカメラ女子とは違う自分の世界観をしっかりと表現していてそこには男性、女性という区別で見ているわけではないのですが、気になる傾向の写真界です。

今月の一枚

工場夜景の撮影に出かけた時の一枚です。少し早めに到着したので夕日が工場の煙突や蒸気に当たって冬の工場らしく撮れました。

「うみてらす14」という展望デッキから少し俯瞰気味に撮影しています。

煙突から出る蒸気なども冬の方が多いので迫力が出ますね。
日が落ちるのも早い時間帯で夜景が撮影できるのも利点です。寒さ対策はしっかりして行きたいですね。三脚や予備のバッテリーなどもお忘れなく。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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