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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

カメラアングル

本格的な夏に向かう時期です、外での撮影には熱中症に気をつけてくださいね。
撮影に集中していると気がつかないうちになっていることがあります。こまめな水分補給をしながら木陰での休息を心がけましょう。

日常の撮影のとき被写体を見つめるスタイルを考えてみるとカメラアングルの位置が分かります。普通に立ったままものを見つめていることが多いはずです。そしてその立ち位置からカメラを構えて撮影しているのではないでしょうか。子供や犬猫などの撮影時相手の目の高さまでレンズの位置を下げて撮影することは、よくやっているかも知れません。このカメラアングルということを少し考えてみましょう。

カメラアングルは、撮影者がその被写体をどう見ているかを大きく印象付ける役目を担っています。例えば人物を例に考えたとき相手の目の高さと同じ位置から撮影すれば対峙の印象が生まれ少し下から見上げれば尊敬、敬意的な感じが出ます。俯瞰すればその人の個性的な印象を引き出します。女性を少し上から撮ればかわいらしさが引き出せるアングルにもなります。建築物を形の正確な見せ方をしようとすればその建築物の中心の高さにカメラを持っていきます。下から見上げれば先端が狭まり威風堂々とした存在感が感じられますよね。上から俯瞰撮影すれば周りの環境も写し込めて状況説明的な写真ができます。
このようにカメラアングル(被写体に対するカメラの高さ位置)は、使用するレンズの焦点距離との相乗効果を生み出し作品の印象を大きく左右するものだということが分かります。いつも同じ立ち位置で見てそのまま撮影しないで少し屈んでみたり高い場所〈脚立など〉から見つめてみることをするといいでしょう。

またカメラアングルは、主になる被写体の背景の写り方にも影響を与えます。花などのクローズアップで背景をぼかして写すとき、微妙なカメラアングルの違いによって背景のボケ効果の映り込みが画面効果の仕上がりに影響します。ピントを合わせる被写体と同時に背景のバランスをうまく取り入れるアングルに注意を払いましょう。

町中スナップでも地面近くから撮影することで普段目にしない印象がでてきます。面倒だと思わないで一度お試しくださいね。最近のカメラには後ろのモニターが可動式でローアングルに対応したものもあります。犬猫撮影にはとても重宝します。
またこれからは夏祭りなどもありそんなとき小さめの脚立を持参すればいつもより少し高めの位置から撮影できます。前列の人の頭が画面に入らず被写体が画面上スッキリと写し込めます。最前列に陣取ることが出来れば地面すれすれのローアングルも迫力ある画面になって面白いでしょう。普段見落としがちな大切なカメラアングルを意識してみましょう。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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