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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

写真と写心

寒さもピークを迎えインフルエンザも大流行のようです。体調管理をしっかり行なってくださいね。撮影でお出かけの方は無理をしないよう心がけましょう。雪のある地域などでは足元注意です。せっかくの楽しい撮影旅行が大変なことになってしまうかもしれません。冬は何かと重装備になるので億劫になりがちですが、冬限定の光景もたくさんありますので少しだけ頑張りましょう。筆者も冬は苦手です(笑)。

写真(Photograph)、日本では真実を写す(記録)ものとしてこの言葉が使われてきました。ヨーロッパで生まれたこの写真という語源は本来ギリシャ語の"光"=Photoをルーツとしています。語尾のgraphは"絵"を意味します。光で描く絵ということでしょうか。日本と欧米では言葉の意味も捉え方も大きく違っていることがわかります。写真とPhotoは別物として考えていくと自分の撮る方向がわかるかもしれません。自然風景でも目で見えたままに近づける捉え方と最近SNSなどでよく見かける、インスタ映えする少し派手めに色味やシャープさなどを加工して仕上げたものなどデジタルの進化とともにいろいろな表現形式が生まれてきています。

日本では写真が持つ記録性が重要視されてきました。日本の写真史を見てみればよくわかります。カメラが報道に使われ、ドキュメントが注目されていました。写真の記録性はいまでも本流ですが、この言葉を"写真=写心"と呼ぶ方もたくさんいます。自分の心の反映としてカメラを使って発信する。表現という言葉に近づけるために写す。そんな感じではないでしょうか。自分が習ってきた経験値だけで写真を云々するとこれからさらに新しい考え方で生まれてくる写真表現が理解しにくくなってくるかもしれません。自分の目指す方向はしっかりとぶれずに写真生活を送っていくことも大切ですが、新しい分野にも目を向けていくことも重要だなと考える今日この頃です。"これは写真じゃない"と、経験値だけで判断せずにPhotographという見方で考えていく必要がありますね。アートとして考える写真も少しずつ日本でも注目されて理解されてきています。そんな世界も探求していきたいですね。たくさん出版されている写真集に目を通すことで自分の(写心)の目が養われてくるはずです。それによって新しい写真の世界が広がるかもしれません。まだまだデジタルの世界と並行しながら写真は進化していきます。たくさんの勉強が楽しめる趣味でもあり柔らかい脳にリフレッシュしていける世界ですね。

今月の一枚

愛知県蒲郡市の竹島での撮影です。毎年冬になるとこの海岸にカモメが集まってきます。観光地でもありここを訪れた人たちが餌を与えるので人に慣れて寄ってきます。高速シャッター、連写機能で撮影してバランスの良い画面をモニターでチェックします。ポイントは後ろの風景の構図を先に決めておき空間にうまくカモメを配置することに気を配ります。水平線なども傾かないよう画面全体を見ながら撮影します。餌をうまく与える人が必要な撮影です。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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