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文化講座

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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

答えはひとつ?

色々なことがあった8月の蒸し暑い夏も過ぎ朝晩に秋の気配が感じられるようになってきました。新型コロナ、自然災害、交通事故など自らの安全確保を最優先に日々を過ごしていきたいですね。


開田高原(長野県)の蕎麦畑

雑誌、SNSなど写真や映像があふれるように毎日スマホ、パソコンなどのモニターに映し出されてきます。フィルム時代では考えられないスピードで写真や映像が消費されていく感じです。写真の学び方もこれから大きく変わっていくことでしょう。写真を学ぶ基本要素部分は同じでもカメラの機能がオートでテクニック部分をカバーしてくれるので撮影者は被写体へどうアプローチしていくかに力を注ぐことに集中できます。しかしフィルム時代に撮影を学んだ多くの現在高齢者になられた方たちは過去の手法にまだまだこだわりを持って(写真はこう撮るべきだ)ということからなかなか抜け出せないような気がしています。確かに日々急激に進化するカメラ機材を扱うことは本当に大変だと思います。そんな時は、基本に戻って絞り、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランス(色味や色調)ピントなどをカメラ任せにできる機能を確認してそれらの組み合わせの変化で仕上がるデーターを自分好みにしていきましょう。


開田高原(長野県)の蕎麦畑

上記のことは何もフィルム撮影を捨てよと言っているのではなくフィルム手法とデジタル手法の両者をうまくご自分の作風に結びつけていくことが大切だと考えて欲しいなと思っています。フィルム独自の銀粒子が見せてくれる柔らかな色調も素敵ですよね。36枚しか撮れないあの緊張感ある撮影も個性的な作品が生まれる要素だと思います。しかし現実的には高い材料費がデジタルへと変化を推し進めているようです。スマホカメラの高機能化でデジタルの写真も便利で身近になって一億総カメラマンと呼ばれる時代の中で写真の持つ楽しみは急激に変化していることを意識する必要があるでしょう。

(写真はこうあるべきだ)というこだわりから(写真で何ができるのか)という期待に意識を変えていきたいですね。そこには色々な答えが見つかりそうな近未来の写真世界が待っているはずです。SNSと写真で作り上げる若い人たちの写真作品の中にこれからはお手本と呼ばれる作品が生まれてくるのではないでしょうか。私も高齢者の仲間入りのひとりですが、老いては子に従えの諺を肝に銘じて日々SNSを検索して若い人たちの新しい作風を探す楽しみを感じています。
デジタルになって強く思うのは写真の答えはひとつではないということだと思います。作品作りに自分のこだわりはとても大切ですが、参考とする答えは色々あるのだというところをもっと意識していきたいですね。

今月の一枚

稲沢市祖父江町のサリオパーク祖父江の木曽川沿いに咲く彼岸花9月中旬から下旬に公園の遊歩道に咲きます。岸辺からはウインドサーフィンが見学できます。
国営木曽三川公園の一角でもあります。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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