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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

答えはいくつもある

四季の中で一番寒い時期になりました。風邪などに気をつけて乗り越えましょう。撮影の時にはしっかりと防寒対策をして出かけましょう。

最近この地方で開かれている写真家の作品展(個展)をよく見に出かけます。作家さんがどのような視点で撮影されているのかを考える楽しみがあります。

グループ展では撮影の技術を競い合うものが多くそれはそれで感心するような作品もたくさん楽しめます。個展もグループ展もテーマ建てがしっかりしているものはそれらの作品が輝いているように感じます。


*3月のお雛様に向けて各地で展示が開かれています 滋賀県のお雛様たちです

撮り手と鑑賞者には見方や考え方にズレもあるでしょう。それは人それぞれの人生経験から生まれてくる(物の見方)が違うから仕方がありません。例えばテーブルの上の一つのリンゴが撮影されているとしましょう。観る人によってその林檎の印象は変わってきますよね。撮影者の気持ちになって光を見ていればどんな光線状況下で撮影したのかが気になります。お腹が空いていれば美味しそうな林檎か気になりますよね。そのほかいろいろな見方で一枚の写真を見ると思います。

写真家がどういう思いで撮影したのか(ステートメント)を読み写真と重ねて紐解いていくと理解が深まっていくと思います。写真を見るとき写された表面の姿だけで好き、嫌い、理解が難しいと判断せず作家さんの思いを汲み取る努力が必要だと思います。そこにはInstagram映えする単純にわかりやすい写真とは違う楽しみが湧いてくるはずです。別の角度から見ればその作家さんの生き様まで探っていくことも楽しめます。

写真の答えは決して一つだけではないことを理解している撮影者はご自分の考えていることを押しつけてこないはずです。むしろ鑑賞者の+αの意見を聞きたいと思っているのではないでしょうか。ご本人が会場にみえればお話しすることでより理解が深まります。気に入った作品展であれば写真集を購入して後でさらに読み解くことができます。美術館などで開かれる作品展では学芸員(キューレター)さんの見方で展示される面白さを見ることができます。

いつもただ自分の写真を撮るだけではなく作品をしっかり読み解くことで新しい発見や学習ができます。機会があればぜひ近くで開かれる写真展におでかけください。楽しい時間が過ごせますよ。

今月の一枚


愛知県瀬戸市の町のスナップ風景

最近では将棋で注目されていますが、瀬戸ものやきの陶器の伝統ある町です。
昭和の面影がたくさん残っているので町スナップを楽しむことができます。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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