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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

ピント合わせ

写真教室で撮影されたプリントを拝見していると時々見かけるのが、ピントが甘い、もしくはどこにピントが合っているのか曖昧な写真があります。初心者の方はオートフォーカスだから大丈夫だろうと深く考えずにシャッターを押しがちです。絞りをある程度絞り込んで(f11~16程度)撮影していると被写界深度が深くなっていますからなんとなくピントがあったようになり曖昧になりがちです。こんなとき自分がより明確に「ここにピントを合わせている」という意識が必要だと思います。それには測距方式をどれで撮っているかを一度確認するといいでしょう。機種によって2~6種類ほど選択できる範囲が変わってきますが、入門用クラスのカメラでもオート任せと任意に一カ所を指定して合わせる方式は選択できると思います。広角気味のレンズを使い絞り値もやや絞り気味でスナップする場合の瞬間を大切にするような撮り方の場合は画面全体でカメラが自動でピントを選択する方式が便利かもしれません。しかし、より正確に「ここにピントを合わせたい」位置を決めて撮影する場合などは任意選択を選んでピンポイントの一カ所方式が向いていると思います。カメラの扱い方に少し慣れてみえた方はご自分のピント合わせ方式を一度確認されるといいでしょう。人物撮影や動物、昆虫などは目にピントがくると見やすい写真に仕上がります。これがいつもどうなっているかを撮られた写真で確認するといいでしょう。こんなにピントって正確に合うものなのだという自覚がとても大切な要素です。
絞り値が解放値に近くなればなるほどピントの正確さが要求されます。普段絞り込んで撮影されている方も試しにご自分のレンズの解放値で撮影されるとこの意味がよく分かると思います。流行のユルカワ系の写真でも自分のピント位置は意識してみましょう。

なんとなくカメラ任せのピント位置を自分の意思で決める撮影方法にステップアップすることが大切ですね。ピント位置=自分がその場で一番見せたい箇所でもあることを意識するだけで対象物をしっかりと見つめなおすことになります。もちろんその周りに写る背景などをファインダー内で確認することも忘れないようにしましょう。

ピントがその人の気持ちを伝える役目を担っていると考えればカメラ任せにたよれなくなってきますよね。他人の写真を見るときどうしてこの人はここにピント(心の焦点)を合わせたのかを考えて鑑賞するといいでしょう。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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